【テント泊がおすすめ】涸沢の紅葉を10倍楽しむ方法

紅葉
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9月下旬から10月上旬にかけては、北アルプスでは紅葉が最盛期を迎えます。

日本一の山岳紅葉ともいわれる涸沢の紅葉に今年こそ行ってみたいと考えている人も多いかと思います。

涸沢の紅葉を見に行きたいけど、効率よく見るには、具体的にどうしたらいいのかを知りたい。

テント泊か小屋泊か迷っているので、それぞれのメリットとデメリットを知りたい。

おすすめの山行プランを知りたい。

こんな疑問にお答えします。

本記事を執筆している2020年9月現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、山小屋やテント場の使用方法が通常と異なります。

登山をする前に、必ず山小屋のホームページを見たり、電話などで事前に状況を確認するようにしてください。

<本記事の信頼性>

・筆者は登山歴9年。

・日本百名山を80座登った実績があります。

・背伸びをしない文章を心がけています。

涸沢はいつ紅葉するか?

涸沢の紅葉にはじめて行こうと考えている人にとって、最初に気になるのは、いつ紅葉するのか、ということでしょう。

結論から言うと、9月の下旬から10月の上旬にかけてのどこかです。

そして、見頃は約一週間です。

涸沢の紅葉が始まるとタイムリーに状況を伝えてくれるのが、涸沢ヒュッテのホームページです。

「○割ほど紅葉しています」とか、「見頃です」とか、写真と一緒に状況を伝えてくれますので、ぜひチェックするようにしましょう。

逆に、ホームページにまだ状況が掲載されていない時は、まだ紅葉は始まっていないということです。

涸沢の紅葉登山が恒例になると、毎年9月半ば頃になると、紅葉が待ち遠しくなって、涸沢ヒュッテのホームページをチェックせずにはいられなくなるはずですよ(笑)

紅葉はその年の気象条件に左右されるので、毎年色づき具合が異なります。

10年に一度ともいわれる当たり年の見頃に運よく行くことができれば、一生の思い出となるに違いありません。

確か2012年が最近の当たり年だったと思います。

本当にこの世のものとは思えないくらいの美しさに感動しますので、ぜひ毎年涸沢の紅葉に通うことをおすすめします。

服装などの装備はどれくらいのものが必要?

次に気になるのが、服装ですよね。

結論から言うと、都会の街中の真冬と同程度の服装が必要となります。

具体的には、フリースダウンジャケットニット帽手袋といったところです。

紅葉がピークを迎えるころ、涸沢の最低気温はどれくらいになると思いますか?

実は、氷点下になります。

9月下旬から10月上旬の時季に、氷点下です。

これが秋の北アルプス標高2,300メートルの現実です。

テント泊なら、オールシーズン対応のテントが必要になるし、寝袋も秋冬対応のものでないと、相当つらい思いをしますので、覚えておいてください。

また、テント泊の場合は底冷えがするので、寝る前にお湯を沸かして保温ポットに入れておくことも忘れずにしておきましょう。

繰り返しますが、秋の涸沢は最低気温が氷点下になります。

テント泊の場合は、氷点下の気温のなかで寝るということをしっかりと頭にたたき込んでおいてください。

とはいえ、十分すぎるほどの防寒対策をしておけば、それほど心配することはないので、安心してくださいね。

バスとタクシーのどちらでアクセスするか?

ご存じのとおり、涸沢への玄関口となる上高地は通年マイカー規制が敷かれているため、マイカーでアクセスする場合は、途中からバスかタクシーに乗る必要があります。

では、どちらで行く方がいいのかを見ていきましょう。

長野方面からアクセスする場合、沢渡(さわんど)地区の駐車場に車を停めることになります。

そして、沢渡バスターミナルからタクシーかバスに乗ることになります。

紅葉の時季は、一年で最も混むため、深夜からバス待ちとタクシー待ちの長蛇の列ができます。

始発間近になると、100メートル以上の列ができるので、始発の1時間以上前から列に並ぶことをおすすめします。

次にバスとタクシーのどちらに乗るかですが、結論からいうと、どちらも大差はありません。

料金は、下記の通りです。

<バス:さわんど〜上高地>

片道 1,300円

往復 2,300円

<タクシー:さわんど〜上高地>

片道 4,600円(定額制、往復割引なし)

バスの場合、片道チケットだとタクシーに4人で乗った場合よりも割高になりますが、往復で買うとタクシー4人乗車の場合と同じになります。

タクシーの場合、4人乗車だと料金的にバスに対抗できますが、3人以下だと割高になります。また、見知らぬ人との相乗りが苦手な人は、タクシーは向いていません。

タクシーのいいところは、バスの始発時間より早く乗ることができれば、早く上高地に到着することができるということです。

考えるのが面倒だという人は、とりあえず、バスの往復チケットを買っておけばいいと思いますよ。

バスかタクシーかの選択よりも大切なのは、とにかく駐車場に着いたら、少しでも早く列に並ぶということです。

山小屋泊かテント泊か

次に、宿泊スタイルについてです。

山小屋泊かテント泊かということです。

これは実に悩ましい問題です。

ただ、涸沢の紅葉を見に行くという目的の山行に限っていえば、僕はテント泊をおすすめします。

テント泊をおすすめする理由は、こんな感じです。

・混雑に影響されずに自分だけの空間を確保できる。

・テントの中からいつでも紅葉を見ることができる。

・宿泊地を自由に決められる。

一番重要なのは、ひとつめのポイントです。

紅葉の時季の涸沢は一年で最も混雑します。

僕は過去に一晩で1,200張のテントが並んだ時に涸沢に行ったことがあります。

ということは、山小屋の混み具合はだいたい想像できそうですよね。

布団一枚に3人で寝るレベルです。

もはや寝返りを打つこともむずかしくなります。

しかも寝室は死ぬほど暑く、息苦しいです。

僕は過去に涸沢ヒュッテに泊まった時に、あまりの息苦しさで、玄関で寝たこともありました。

どうですか?

テント泊だと確かに寒いですが、誰にも邪魔されずに自分だけの空間で、自由に寝ることができます。

荷物の負担は大きいですが、それを上回るだけのメリットはありますので、ぜひテント泊にチャレンジしてみてください。

一応、山小屋泊とテント泊のポイントを簡単にまとめておきますね。

<山小屋泊>

温かい食事が提供される。

布団で寝られる。

建物のなかという安心感がある。

混雑すると寝苦しい、息苦しい。

テント泊に比べて費用がかかる。

<テント泊>

自分だけの自由な空間を作ることができる。

周りの人を気にせずに過ごすことができる。

消灯時間がない。

宿泊費が安い。

秋の朝晩はかなり寒い。

寝心地はよくない。

よ〜く考えて、山小屋泊かテント泊かを選んでみてください。

僕はテント泊派なので、次の項目からは、テント泊の場合の山行プランをいくつかご紹介しておきますね。

【おすすめ山行プラン① 】涸沢テント泊 一泊

まず最初のおすすめプランは、涸沢にテント一泊プランです。

涸沢の紅葉を見に行く人の多くは、この宿泊パターンで行きます。

夕焼けも満点の星空も、朝のモルゲンロートも堪能できる定番プランです。

ただし、注意点がいくつかあります。

しつこいようですが、朝晩はとにかく寒いです。

僕も一度秋の涸沢でテントを張りましたが、朝起きたらテントのフライシートが凍結していました。

くれぐれも防寒対策は抜かりなく。

そして紅葉の時期は、テントの数がめちゃくちゃ多いです。

僕が過去にテント泊した時は、1,200張だったと後でニュースで知ったくらいです。

なので、できるだけ早く現地に到着して、少しでも立地のいい場所を確保したいところです。

【おすすめ山行プラン② 】横尾テント泊 一泊

次は横尾野営場でのテント一泊プランです。

「横尾」は上高地と涸沢のちょうど中間地点にあります。

上高地から3時間のところに位置しています。

朝一で上高地に入り、とりあえず横尾にテントを張って、そのまま涸沢まで登り、その日のうちに横尾まで帰ってくる。

もしくは、初日は横尾までにしておき、翌日未明から涸沢に登ってそのままとんぼ返りしてくるというプランも立てられます。

初日が悪天候で、翌日に回復しそうな天気予報のときなんかは、後者のプランで行くという動き方も可能です。

また、涸沢までテントを担いでいかなくてもいいので、体力にあまり自信のない人は、ぜひ試してみてください。

【おすすめ山行プラン③ 】徳沢テント泊 一泊

続いて、徳沢キャンプ場に一泊のプランです。

基本的な考え方は、横尾一泊プランと同じです。

「徳沢」は上高地から2時間のところにあります。

横尾を起点にする場合に比べて、涸沢までのピストンの距離も時間も長くなりますが、その分テントを担ぐ負担は少なくなるし、帰りも上高地まで2時間と短いのが特徴です。

涸沢までの移動時間が長くなるので、体力に自信のある方向けのプランになります。

徳沢のキャンプ場にテントを張る魅力は、なんといっても一面芝生のふかふかのテント場だということに尽きます。

涸沢だと岩の上にテントを張ることになるし、横尾や小梨平でも小石混じりの土の上に張ることになることを考えると、かなり条件がいいといえるでしょう。

山小屋の徳澤園では、名物の高菜チャーハンやソフトクリームを食べましょう。

個人的には、はちみつトーストとホットコーヒーの組み合わせが好きですが…

【おすすめ山行プラン④ 】涸沢と小梨平でテントで各一泊

最後にお伝えするのは、ぜいたくにもテントで2泊して涸沢をピストンするというものです。

1日目で涸沢まで行ってテント泊をし、十分に紅葉を堪能してからゆっくりと上高地まで戻り、上高地にある小梨平キャンプ場でまた一泊するというプランです。

このプランの最大のメリットは、帰りが本当に楽ちんだということです。

小梨平キャンプ場は上高地バスターミナルまで5分から10分のところにあります。

朝一にテントを撤収して上高地を出れば、東京や名古屋ならお昼くらいには到着することが可能です。

普段の土日であればそれほど気にする必要はないのですが、1年で最も混雑する紅葉まっ盛りの時だと、お昼くらいから上高地バスターミナルではバス待ちの長蛇の列ができます。

これまでで一番長かったのは、確か、河童橋付近まで列ができてたときじゃないでしょうか(笑)

バスに乗るのにいったい何時間待たなきゃいけないのか。

考えるだけでゾッとしますよね。

なので、紅葉の時季は少しでもか早く上高地を出ることを考えた方が得策ですよ。

早く出ると、高速道路の渋滞も短くて本当に帰りが楽になりますので、おすすめです。

バスとタクシーのどちらで帰るか。

さて、帰るときの話が出てきたので、帰りのバスやタクシーの乗り方について触れておきますね。

先ほどお伝えしたように、紅葉の時季はの涸沢は1年で最も混雑しますので、帰りの上高地バスターミナルもとんでもないほど混みます。

朝一にバスターミナルにいることができれば、バスでもタクシーでもどちらでもいいのですが、混む時間になったら、タクシーをおすすめします。

意外とタクシー待ちの人が少ないときがあるので、一度タクシー待ちの列を見に行ってみましょう。

あなたと同じように相乗り待ちの登山客がいれば、ラッキーです。

相手方もあなたと同じく相乗りをしてくれる人を待っているので、すぐに利害が一致します。

運よくこうなれば、長い行列のバス待ちをしている人たちを尻目に涼しい顔をして帰路に着くことができます。

バスターミナルが混んでいる時は、まずタクシー待ちの列の状況を確認してみましょう。

まとめ

さて、今回は涸沢の紅葉を見に行くのに、知っておくと得をするポイントについて解説してきました。

例年、涸沢の紅葉は、9月の下旬から10月の上旬のうち、1週間くらい見頃を迎えます。

標高が2,300メートルある秋の涸沢は、最低気温が氷点下になることもあるほど寒いので、防寒対策はしっかりしていく必要があることをお伝えしました。

玄関口となる上高地へのアクセスは、基本的にはバスでもタクシーでもそれほど変わりません。

ただし、どちらも始発前から長蛇の列ができるので、沢渡の駐車場に着いたら、少しでも早く列に並ぶことが大事でしたよね。

宿泊については、山小屋とテントの良し悪しをしっかりと見きわめて、自分に合った方を選んでください。

激混みの小屋を避けたいなら、迷わず、テントにしましょう。

帰りのポイントは、なるべく早い時間に上高地から出ることでした。

秋の上高地バスターミナルは、死ぬほど混みます。

バス待ちの長さに嫌気がさしてしまっては、せっかくの思い出も台無しですからね。

あと帰る時は、タクシーの相乗りも検討するといいですよ。

今回は以上です。

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