日本百名山のひとつにも数えられる安達太良山は、登山初心者でも比較的登りやすい山です。
これから百名山を登ろうと考えている人が、最初に登ろうと思う山のひとつではないでしょうか。
登山初心者でも登れる百名山については、こちらの記事をお読みください。
そんな安達太良山のおすすめの登り方や見どころなどをまとめてみましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
この記事を読んでいただくと、安達太良山登山のポイントを一度に把握することができます。
<本記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・日本百名山をガイドやツアーなしで80座登った実績があります。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
安達太良山はこんな山
まずは安達太良山がどんな山なのかを簡単に説明しますね。
福島県の中通り地方と会津地方とを分けるように南北に連ねる連峰があり、その中でも1,700m地点を最高峰とするのが安達太良山です。
やさしくふっくらとした膨らみの上に小さな突起物が乗っかったような形をしているため、女性の胸元に例えられることが多い山です。
男性登山者の間では、どの角度から安達太良山の山頂を見るのが一番いいのかで意見が分かれるそうです😅
呼び方はどうあれ、お伝えしたいのは、一見たおやかな山だということです。
しかしこれは安達太良山の顔の一部に過ぎません。
山頂の向こうの西側はというと、大きな爆裂火口があらわになっており、火山ガスが充満する危険地帯となります。
安達太良山は活火山であることを思い知らされます。
つまり安達太良山は、たおやかな山容と噴火の危険をはらんだ荒々しさの二面性を持つ山であるといえます。
とはいえ、ロープウェイ(あだたらエクスプレス)に乗れば、4時間足らずで山頂を往復することができてしまうので、初心者向けの山になります。
なので、あまり怖がらずに安心して登山をしてもらって大丈夫ですよ😀
アクセス方法
次に安達太良山へのアクセス方法について記載しておきます。
ご自分にあった方法を見つけてアクセスしてみてください。
公共交通機関で行くなら、土・日・祝日だと比較的アクセスがいいのでおすすめです。
公共交通機関の場合
とはいえ、電車やバスの時刻を調べたり、タクシーの手配をするのって、けっこう面倒だったりしますよね。
そんな方は、ツアーでの登山がおすすめです。
ツアーなら、移動手段や宿泊施設の手配などはすべて丸投げすることができるし、おまけに登山のガイドまでしてくれます。
※「山旅・スポーツ」→「日本百名山登山特集」の順にクリックするとツアーを選ぶことができます。
マイカーの場合
公共交通機関でのアクセスはあまり良くないので、時間にしばられずに行動したいという人は、マイカーでのアクセスがおすすめです。
※車がない場合は、レンタカーで行くのもひとつの方法です。
例えば、金曜や土曜の夜に車を借りて夜中の間に移動します。そして朝から昼にかけて登山をして、夜に車を返すと24時間レンタルで無駄なく借りることができます。12時間と24時間とでレンタル料金はそれほど変わりませんので、24時間で借りるのがおすすめです。
初心者ならロープウェイを利用した周回コースがおすすめ
安達太良山の登山コースは調べるといくつかありますが、アクセス方法でご紹介した奥岳登山口からロープウェイに乗って山頂を踏み、くろがね小屋を経由してまた奥岳登山口に戻ってくるという周回コースがおすすめです。
ロープウェイに乗ると、400mの標高差と1時間30分の歩行時間をショートカットすることができるので、登山初心者には朗報ですよね。
またロープウェイに乗ると、登山道を歩いていると見ることができない雄大な安達太良山の山容を上から眺めることができるという利点もあります。
いずれにしてもロープウェイには一度は乗ることをおすすめします。
安達太良山で「ほんとの空」を見よう
安達太良山に登るなら必ず寄りたい場所があります。
ロープウェイを降りて遊歩道を少し歩くと開けた場所があり「この上の空がほんとの空です」と書かれた場所に出ます。
作家、高村光太郎は詩集「智恵子抄」で妻智恵子がいう「ほんとの空」をこう表現しています。
智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
(略)
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
「智恵子抄」
この一節を記念して建てられたそうです。
多くの登山者がここで写真を撮っていますので、立ち寄ってパシャリと一枚撮っておきましょう!
東京にはないほんとの空をぜひ自分の眼で確かめてみましょう。
山頂の強風に注意しよう
安達太良山に登る際の注意点をひとつ挙げておきます。
詳しい理由は僕には分かりませんが、安達太良山の山頂付近は風が強いことがとても多いです。
僕は何度も安達太良山に登っていますが、ほぼ毎回強風にさらされますので、間違いないです。
しかも山頂付近は樹林がまったくなく風の影響をもろに受けることになります。
なので、風への対策は必須です。
暑い夏の時季でも、雨が降って強風が吹くと低体温症になるリスクもありますので、必ずウィンドブレーカーやレインウェアなど風から身を守れるアイテムを忘れずに持っていくようにしましょう。
春先や秋に登る場合は、ダウンジャケットなどの防寒着は必ず持っていくようにしましょう。
また、帽子なども風で飛ばされないように対策をしておくといいですよ。
秋は一面紅葉のじゅうたんの絶景
安達太良山一年中登山が楽しめる山です。
特に秋がおすすめです。
安達太良山は紅葉の名所としてもとても有名で、毎年10月上旬から中旬頃にかけての紅葉の最盛期には、多くの観光客や登山客でにぎわいます。
この時期の安達太良山の山頂から東側は、ほぼ一面紅葉のじゅうたんになります。
その上を通るロープウェイに乗ると、とても雄大な景色を堪能することができますので、おすすめです。
ただし、ひとつ注意点があります。
先ほどお伝えしたように、安達太良山の山頂付近は風が強いことが多いので、防風および防寒対策は必須です。
ちなみに風速1mで体感温度は1℃下がると一般的にいわれています。
山に登ると、風速10m前後になることはそれほど珍しいことではありません。
どんな状況になるか、ある程度は想像ができますよね?
秋に山に登ると、冬の装備が必要だということです。
秋の紅葉登山はとても楽しいですが、防寒対策は特に注意しましよう。
くろがね小屋などの天然温泉に入ろう
安達太良山に登る際の楽しみのひとつに「温泉」があります。
安達太良山は火山なので、温泉が豊富に湧いている地域です。
山の麓はもちろん、中腹にも温泉が湧いています。
登山道の途中にある年中無休の「くろがね小屋」には、源泉掛け流しの温泉があります。
宿泊者はもちろんのこと、立ち寄りの日帰り登山者にも温泉は開放されていますので、ぜひとも立ち寄りたいところです。
また、くろがね小屋は宿泊をすると名物のカレーを食べることができます。
時間と費用に余裕がある人は一度泊まってみるといいですよ。
くろがね小屋の他にも、奥岳登山口には天然温泉の「あだたら山 奥岳の湯」(年中無休)があります。
内湯は源泉掛け流しで、泉質は全国的にも珍しいpH2.5の酸性泉で、 筋肉痛や神経痛、疲労回復、また皮膚病への効能や美肌効果もあると言われています。
また安達太良山の麓にも「岳温泉」という温泉街もあります。
岳温泉の旅館に泊まって温泉につかりつつ、ゆっくりと安達太良山の登山を楽しむというのもいいですよね☺️
安達太良山に行ったら、ぜひ温泉にもこだわってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は登山初心者でも比較的登りやすい百名山の安達太良山について書いてみました。
一見たおやかで優しそうに見える山容と同時に、実は大きな爆裂火口をもあわせ持つ二面性のある山でしたね。
高村光太郎の詩集「智恵子抄」で記された「ほんとの空」が見えるポイントがあったり、秋の紅葉の絶景が楽しめたり、温泉の宝庫であったりと、安達太良山を楽しむポイントはたくさんありました。
また、本文では挙げませんでしたが、実は安達太良山は冬も楽しめる山です。
真冬に365日営業しているくろがね小屋の温泉に入って、ストーブにあたりながら夕食は名物のカレーを食べるなんていうのもとても楽しそうです。
登山経験を積んで、スキー板やスノーシューを持って冬の安達太良山にも挑戦してみたいものですね。
安達太良山の奥の深さを感じることができましたか?
今回は以上です。
では、また。
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