登山でテント泊デビューをしたいけど、何から揃えればいいのかが分からないな
調べるといろいろ出てくるので、まずは最低限必要なものを教えてほしいんだけど・・・
日帰り登山や小屋泊の登山に慣れてきた登山者の中には、そろそろテント泊をしてみようかと考えている人が多いかと思います。
でも、いざテント泊の装備を揃えようとすると、その種類は多いし、費用もかかるので、足踏みをしてしまいますよね。
そこでこの記事では、登山のテント泊をするうえで最低限必要なものをお伝えし、選ぶ際のポイントも解説していきます。
読者のあなたがテント泊を始める後押しができれば幸いです。
登山のテント泊に最低限必要な装備
登山でテント泊をする場合に使用する道具は、お店に行くと無数に置いてあります。
でも、最低限必要になる道具というのは、意外とそれほど多くありません。
ただし、少々お金はかかりますが(笑)
まず最初に揃える必要がある装備品を順番に説明します。
大型ザック
テント泊用には、50〜70リットルのザックを購入しましょう。
テント泊になると、山小屋泊の時と比べて「食」と「住」が増えます。
つまり「衣」「食」「住」を背負って歩くことになります。
ですので、その分容量の多いザックが必要になります。
最低でも50リットルは必要になります。70リットルあると少し多めの荷物でも余裕で入りますので、おすすめです。
最近、荷物を極力減らすウルトラライトスタイルの登山をする人がいますが、初心者の人にはおすすめできません。王道から入ってください。
価格帯は、2万円後半から3万円後半が主流です。
主なブランドは、グレゴリー、オスプレイ、モンベル、ドイターなどです。
私はオスプレイの70リットルを使用しています。
それぞれ特徴がありますので、自分の好みで選んで大丈夫です。
ちなみにグレゴリーは、以前から「ザックのロールスロイス」と呼ばれるくらい背負い心地がいいとの評判があります。
ただし、その分他のブランドに比べて価格が高いのが難点です。
テント
プラス1人用のテントを買いましょう。
1人で寝るのであれば2人用のテントを、2人で泊まるのであれば3人用のテントを選ぶのが断然おすすめです。
例えば、自分はいつも1人で登山をするからといって、ソロテントを買ってしまうと、その狭さにストレスを感じることになるでしょう。
ソロテントの場合、人ひとりが寝るのちょうどぴったりの大きさで設計されています。
でも、テント泊の場合、荷物がとても多くなりザックも大きいので、どうしても荷物を置くのに十分なスペースがないと窮屈になってしまいます。
登山で疲れた体をゆっくり休めたいですし、のんびりとご飯を食べたりコーヒーを飲んだりしたいですよね。
ですので、初めて登山用のテントを買うなら、プラス1人用のテントを買いましょう。
普段妻と2人でテント泊をする私は、3人用のプロモンテのテントを愛用しています。
価格は、2〜3人用で、4万円から6万円くらいが中心になります。
代表的なブランドは、アライテント、モンベル、プロモンテ、ニーモなどです。
テント場を見渡すと、アライテントとモンベルだけで半分くらい占めるイメージです。
シュラフ(寝袋)
3シーズン対応のダウンタイプのシュラフを買いましょう。
シュラフには中身が「ダウン」のものと「化学繊維」のものがあります。
化学繊維タイプのものはダウンに比べて安価ですが、かさばるし重量もあるので、あまりおすすめできません。少々高価でも、軽くてコンパクトになるダウンのシュラフを買った方が、絶対に後悔しません。
シュラフは素材の他に、「対応可能温度域」によって商品の分類がされています。
2000メートル以上の高所でテントを張ったり、秋にもテント泊をする予定があるのなら、マイナス5℃からマイナス10℃まで対応できるものを選ぶのがおすすめです。暑い時は別にシュラフの中に入る必要はなく、敷布団にしてしまえばいいのです。
小屋泊のときと違って、テント泊の朝晩は想像以上に寒いので、できるだけ低い温度まで耐えられるシュラフで寝ることに越したことはありません。
なお、対応可能温度が低くなるほど、シュラフの中身の量も多くなるので、化学繊維よりもダウンの方がいいということがここでも分かりますよね。
価格は、素材がダウンで3シーズン対応のもので、4万円から6万円あたりがボリュームゾーンになります。
主なブランドは、モンベル、イスカ、ナンガなどです。
テントと違って、なかなか他の人が使っているシュラフを確認することはできませんが、概ねモンベルを使っている人が多いような気がします。
私は、使用限界温度がマイナス10℃くらいのナンガのダウンシュラフをずっと愛用しています。
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スリーピングマット
テントの中で寝るには、スリーピングマットが必須です。
テントの生地は丈夫ですが、とても薄いので、スリーピングマットがないと固くて寝られません。
また、スリーピングマットには、地面からの冷気をシャットアウトするという役割もあります。
分類としては、大きく分けて「ロールタイプ」、「蛇腹タイプ」、「空気注入タイプ」の3タイプがあります。
表彰状のようにくるくると巻き込んで収納するロールタイプのものは、厚みがあるものでも軽量なのがメリットですが、3つのタイプの中で一番かさばるのがデメリットです。
扇子のようにパタパタと折りたためる蛇腹タイプのものは、ロールタイプのものに比べて軽くコンパクトに収納できますが、ロールタイプのものに比べて厚みがないので、寝心地は少し劣ります。
空気注入タイプのものは、3タイプの中で一番小さく収納できるのが最大のメリットです。基本的には、このタイプのものだけが、ザックの中に収納できます。
ただし、空気を入れたり抜いたりする時間と手間がかかること、比較的重いということ、値段が高いということが、デメリットとなります。
正直どれを選んでも、どっこいどっこいです。
自分の好きなタイプのものを選べば大丈夫ですよ。
グランドシート
地面とテント本体の間に敷くものがグランドシートです。
テント本体の底の生地を保護する役割があります。
荷物を減らすためだったり、お金をケチったりして、使用していない人もいるようですが、絶対に買った方がいいです。
登山でテントを張るところは、砂利や石がゴロゴロしています。
何度も使用していると知らないうちにテントの底に穴が開いてしまうなんてこともあるかもしれません。実際、これまで使用してきたグランドシートは何枚も穴が開きました。
山岳テントは高価なので、後悔したくなければ、グランドシートを購入すべきです。
グランドシートには、テント純正のものが用意されていることが多いです。
価格は1万円前後です。
純正のものだと、テントとのサイズがバッチリなのがいいですよね。
選択肢としてはもう一つあります。
厚手のエマージェンシーシートをグランドシートとして使用する方法です。
有名なのが、「Grabber(グラバー)」社の多目的に使えるシート「オールウェザーブランケット」です。
パッと見はただのレジャーシートですが、実はNASAが開発した耐久性と保温性に優れた逸品です。
価格は3,000円程度で、登山用品店なら大抵どこにでも売っているほどメジャーなものです。
ランタン
テントは居住スペースですので、暗い時は明かりが必要になります。
テント用のミニランタンがあると便利です。
ブランドとしては、ブラックダイヤモンドやモンベルのものが主流です。
価格は、2,000円から5,000円程度です。
ぶっちゃけヘッドランプがあれば、なくても大丈夫ですが、テントで休んでいる時くらいは、頭の締めつけはない方がいいですよね。
あと、替えの電池は忘れずに持っていきましょう。
山の中の暗さは想像を絶します。
明かりはとても大切です。
コッヘル(食器)
テント泊をしなくても登山をしている人であれば、大抵の人はコッヘルを持っているかと思います。
ただ、テント泊の場合は、非常食ではなく、ちゃんと食事をすることになるので、簡易的なものではなく、数種類のコッヘルがあると便利です。
数種類といっても、重ねて収納できるものを選べば場所はそれほど取りません。
また、チタン製のものだと軽いので、持ち運びに便利です。
ちなみに私は、チタンの擦れるときの音が苦手なので、世の流れに反してステンレス製のものを使用しています。
食器って軽いものより重量感がある方が料理がおいしく感じられるような気がします。なので、チタンに比べて重いですが、私はステンレスを愛用しています。
ガスバーナー
登山をしている人であれば、コッヘルと同様、持っている人は多いと思います。
大きく分けると、「ガスカートリッジに五徳を直接繋げるもの」と「ガスカートリッジから管を通して五徳に繋げるもの」の2つがあります。
大半の人は前者を持っていると思いますが、テント泊の場合は後者も便利です。
後者の方は五徳がガスカートリッジと分離している、つまり五徳を地面に置くことができるので、鍋など少し大きめのコッヘルを使用するときには、低い位置で安定して使うことができて便利です。テント泊をするようになると、料理も少し凝ったものを作りたくなるものです。
あと、燃料の分類でいえば、液化石油ガス用とホワイトガソリン用の2種類があります。ホワイトガソリンの方は、毎回使用前にポンピングが必要だったり、器具のメンテナンスをしなくてはいけないので、こだわりがなければ、液化石油ガスのタイプを使用した方がいいでしょう。
ガスバーナーは、ガスカートリッジと同じメーカーでセットで選ぶようにしましょう。
代表的なメーカーは、イワタニプリムス、SOTO 、EPIGASなどです。
ガスカートリッジ
ガスカートリッジは大中小の3種類のタイプが売られています。
中サイズを2〜3個持っていくのがおすすめです。
小サイズは容量が少ないので使いにくいです。少量のお湯を沸かすだけならいいのですが、いろんな調理をしようと思うとある程度の容量があった方が安心です。
大サイズは「ガスカートリッジから管を通して五徳に繋げる」タイプのガスバーナーの時に使います。量が多いのはいいのですが、何かの不具合で使えなくなった時のことを考えると、大サイズを1つよりは中サイズを2〜3個持っていく方が現実的です。
また、サイズとは別の分類として、ガスカートリッジは夏用、オールシーズン用、厳冬期用の3種類が売られています。
基本は夏用でも対応できますが、少し寒くなると夏用だと火力が足りなくなるので、オールシーズン用を常備しておくのがおすすめです。
水筒
テント泊ではお湯を沸かしたり、調理をしたりと一定量の水が必要になります。
必要に応じて、その都度水場で汲むのもいいのですが、面倒ですよね。
テント場によっては、水場まで遠かったり、中には水場がないこともあります。
なので、水筒は用意しておいた方がいいです。
種類としては、「プラティパス」、「ステンレスボトル」、「ナルゲンボトル」などがあります。
プラティパスは、柔らかいプラスチックのような素材でできていて、ジッパーやキャップで封をすることができます。中身がない時はコンパクトに収納できて便利です。
ステンレスボトルは、登山の水筒としてはスタンダードなものです。登山中の水分補給用の水筒としても使えますし、テントばでのストック用の水筒としても使いやすいです。
ナルゲンボトルは、メモリがついているので、水筒としてだけでなく、計量カップとしても使うことができます。また、プラスチック製なのに、熱湯をれても中身を凍らせても容器が壊れないとても便利なものです。
最後に
登山でのテント泊に最低限必要な装備品について解説してきました。
テント泊向けの道具は、登山用品店に行くと無数に売っているので何を買ったら良いのか分からなくなって迷ってしまいますが、必要最低限なものはそれほど多くはありません。
まず先に紹介した装備品を漏れなく揃えてください。
それ以外の細かい装備品については、テント泊をやりながら、気づいたら少しずつ買い足していくというので大丈夫です。
さぁ、これであなたもテント泊デビューの準備ができますね。
早速お店に行って、商品を選びに行ってください。
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