百名山の中でも比較的登りやすい伊吹山のことについて知りたい。
伊吹山のおすすめの登り方を知りたい。
こんな疑問にお答えします。
<本記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・日本百名山をガイドやツアーなしで80座登った実績があります。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
伊吹山はこんな山
まず最初は伊吹山についてのざっくりとした知識をおさえておきましょう。
伊吹山は、滋賀県と岐阜県の県境にそびえる標高1,377mの山で、「日本百名山」のみならず「新・花の百名山」にも選ばれている山でもあります。
伊吹山の特徴は、なんといっても「植物の宝庫」だということです。
麓から山頂まで、約1300種の植物が分布しています。
例えば、固有種でなくても、ここで最初に見つかったなどの理由で「イブキ」と名のついた植物は、古い呼び名も含めて実に30種以上にのぼります。
高山植物の他にも多くの「薬草」が分布していますが、これは織田信長がポルトガル人宣教師の希望を聞き入れ、伊吹山に土地を与えてハーブガーデンを作ったときに、ヨーロッパから持ち込まれたハーブに由来しているともいわれています。
こんなことを事前に頭に入れておくと、高山植物を見るのを目的に登っても十分に満足ができそうですよね。
また伊吹山は、「古事記」や「日本書紀」にもその名が記され、日本武尊(やまとたけるのみこと)の伝説にも登場する歴史的な山でもあります。
山頂には日本武尊の像が建てられているので、その言い伝えをうかがい知ることができます。
アクセス方法
次はアクセス方法についてです。
伊吹山は麓から登るのか、もしくはほぼ頂上まで行ってから登るのかによって、アクセス方法が変わります。
スタート地点を0合目の伊吹山登山口にするのか、それとも9合目の伊吹山山頂駐車場にするのかの違いです。
②は夏期のみの季節運行となりますので、注意してください。実際のダイヤは、名阪近鉄バスのホームページで確認してください。
電車やバスなどの時刻を調べたりチケットを手配するのが面倒という人は、ガイドツアーで登山しましょう。
遠方から伊吹山に登る場合は、東海道新幹線で米原駅まで行き、米原駅からレンタカーで登山口まで行くというのもオススメです。
ただし麓の伊吹山登山口から登る場合、民間駐車場の勧誘がひどいようなので、注意して行った方がいいかもしれません。
麓の駐車場に車を停める場合は、こちらの記事が参考になりますので、あわせてお読みください。
登山コースは天国か地獄かの2択
伊吹山の登山口は大きく分けて2つあります。
麓から地道に登っていくコースとほぼ山頂まで車で行って、山頂付近を散策するだけのコースのふたつです。
言ってみれば、天国か地獄かの2択ということになります。
どちらも良し悪しがありますが、各々のプランに合わせて選べばいいかと思います。
サクッと山頂を踏んでのんびりとお花畑を散策するもよし、しっかり登山をして達成感を味わうもよしです。
ちなみに僕は車で山頂まで行って散歩をした程度なので、そのうち時間を見つけて麓からのコースも登ってみたいと考えています。
麓からがっつり登る登山コース
まずは麓の伊吹山登山口から登るコースについて解説します。
こちらは0合目から地道にひたすら山頂を目指すというものです。
標高差は1,200mほど、コースタイムは山頂往復で7〜8時間かかります。
以前は3合目までゴンドラに乗ることができて、3合目から登山を開始することができたようですが、ゴンドラは現在は営業していません。
それと1合目までは樹林帯の中を歩くので比較的涼しいのですが、それ以降は日差しを遮るものがなくなります。
遮るものが何もないのでもちろん見晴らしはとてもいいのですが、真夏の晴れた日だと炎天下のもと歩くことになるので、熱中症のリスクが高まります。
けっこう試練の登山になりそうです。
なので登山初心者の人は、麓から登るコースよりも山頂だけを歩くコースをおすすめします。
とはいえ、途中には何ヶ所も休憩ポイントがあるし飲み物の自動販売機もあったりしますので、それほど恐れる必要はありません。
また夏だけになりますが、疲れたら山頂からバスで降りてくるという方法もあります。
登りの厳しさよりもこのコースのいいところは、すばらしい展望とともにさまざまな高山植物を見ながら登ることができるということです。
伊吹山には約1,300種類の高山植物があるといわれています。
お花畑を存分に楽しむなら麓から登るコースがいいかもしれませんね。
伊吹山ドライブウェイを利用して楽々登頂しよう
もうひとつの登山コースは、伊吹山ドライブウェイで山頂駐車場まで車で行って、そこから登る方法です。
名神高速・関ヶ原ICから約10分の伊吹山ドライブウェイに乗って麓から一気に山頂まで車で行くことができます。
ちなみにドライブウェイは有料道路で、往復3,140円です。
3,140円 Σ(゚д゚lll)
金額を聞くとびっくりする人も多いかもしれませんが、片道17kmで往復34km、さらには山頂駐車場の駐車料金も含まれていると考えれば、案外納得できませんか?
しかも標高1,300mまで乗り物に乗らずに一気に登ることができるんです。
他の山だとロープウェイやゴンドラに乗ったりしますよね。
さて、山頂駐車場というくらいなので、車を降りた時点でほぼ頂上です。
登山というよりは、散策に近いものがあります。
山頂周辺には遊歩道が整備されていて、1時間くらいかけてゆっくりと高山植物を愛でながら散策することができます。
また駐車場からは30分もかからずに山頂に立つことができます。
もちろんスニーカーでも平気です😁
ただ単に山頂に立つのが目的という人は、この登り方がいいかもしれませんね。
この登り方をすると、大型連休などを利用すれば、伊吹山と一緒に大峰山と大台ヶ原あたりも省エネで登ることができます。
百名山を少しでも効率よく登りたいと考えている人にはオススメです。
ちなみに登山初心者でも登れる百名山については、こちらの記事をお読みください。
ご来光を求めてナイトハイク
最後に番外編的な登り方をご紹介します。
真夜中に登るナイトハイクです。
伊吹山を麓から登るコースは、ナイトハイクに利用されることも多いです。
真夜中に登り始めて日の出を山頂から見るご来光登山が人気です。
どこかで聞いたことがありますよね?
そう、富士山です。
樹林が少なくまっすぐ山頂まで伸びる登山道も富士山にそっくりですよね。
標高差が1,200mというのもなんだか近いし。
真夜中に登れば麓の夜景が見れるし、比較的涼しいので真夏の暑い時季でも快適に登れていいですよ。
伊吹山ドライブウェイは車で走ったし、一般登山道も昼間には登ったという人は、ぜひ一度試してみてください。
非日常的な登山が楽しめるので、おすすめです。
まとめ
今回は伊吹山について書いてみました。
調べてみると、意外と多くの楽しみ方があるんだと気付かされました。
伊吹山ドライブウェイを車で走るととても気持ちがいいですし、麓から山頂まで見晴らしのいい登山道をまっすぐ登っていくのもいい。
1,300種類ともいわれる植物を見て散策するのもよし。
真夜中にヘッドライトをつけて登って、山頂でご来光を眺めるために登るのもなかなかオツなもんですよね。
僕はとりあえず百名山のひとつとして登っておきたかっただけなので、車で山頂まで行ってしまいましたが、そのうち麓からも登ってみたいと思っています。
伊吹山は、ただ単に山頂に立つだけなら百名山の中で最短かもしれません。
でも、それだけじゃもったいないので、目的を見つけて登ることをお勧めします。
今回は以上です。
それでは、また。
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