日本百名山のひとつに数えられる鹿島槍ヶ岳。
それなりの登山経験のある人なら、そろそろ登りたいと考えている人が多い山ではないでしょうか。
鹿島槍ヶ岳に登るには赤岩尾根と柏原新道のどちらがいいの?
鹿島槍ヶ岳のおすすめの登り方があれば知りたい。
こんな疑問にお答えします。
<本記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・日本百名山をガイドやツアーなしで80座登った実績があります。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
鹿島槍ヶ岳に登るなら柏原新道がおすすめ
鹿島槍ヶ岳に登るには主に2つのルートがあります。
大谷原から登る「赤岩尾根」と扇沢から登る「柏原新道」の2つです。
どちらから登る方がいいのか?
悩ましいところですが、結論から言うと柏原新道で登る方がおすすめです。
なぜなら柏原新道の方が登りやすくしかも景色がいいからです。
では赤岩尾根と比較しながら解説していきますね。
赤岩尾根
まず赤岩尾根ですが、こちらは鹿島槍ヶ岳へ登る最短コースになります。
歩行距離は扇沢から登る柏原新道よりも確かに短いのですが、勾配が急なのが赤岩尾根の最大の特徴です。
なので、歩いてみると意外と時間がかかります。
おそらく一般的な登山者だと柏原新道で登るのと時間的には大差がないはずです。
もちろんかなりの健脚な人であれば、距離が短い分早く登れるということはあるかもしれませんが。
赤岩尾根についてさらに言うと、ハシゴなどがあって歩きにくい箇所も多々あります。
またコース中、樹林帯を歩くことが多いのであまり景色を期待できません。
あともちろん赤岩尾根の登山口の大谷原には車でのアクセスしかできません。
そして登山口近くになると道幅が狭くなりますし、駐車場の収容台数も20台ほどと少ないです。
立山黒部アルペンルートの玄関口の扇沢と比べるとかなり状況が違いますよね。
まとめると、赤岩尾根は一般的登山者だと少々きつめのコースで、上級者だと鹿島槍ヶ岳ピストンの日帰りも可能な最短コースということになります。
黙々と急登をクリアすることが楽しめる人にはいいかもしれません。
柏原新道
そして次は柏原新道です。
柏原新道の特長はなんといっても登山道がきれいに整備されているということに尽きます。
歩くと本当によく分かりますが、段差がものすごく少ないです。
ごく小さな歩幅でも楽々と登って行けるように平らな岩や石が並べられているんです。
登山口から稜線に出る種池山荘までの間は、「よいしょ」と大きく足を上げて登ったり下ったりするところは一箇所もありません。
登りのコースタイムが4時間もあるところがこんなにも整備されているんです。
なんということでしょう。
登山道を整備してくれている山小屋の人には頭が上がりません。
段差が少なく足場もほぼ平らなので、テント泊装備で歩いてもとても歩きやすいです。
そして段差が少ないということは、下りの時に膝を痛めにくいということでもあります。
膝に優しいので下りはサクサクと降りることができますよ。
登りも下りもとにかく歩きやすいのが、柏原新道の最大の特長です。
あと楽しみが多いのも柏原新道ならではです。
ひとつは鹿島槍ヶ岳に行くまでに山小屋が2つあるということです。
特に種池山荘では、お昼頃になると釜焼きのピザを販売します。
山の稜線で焼き立てのピザですよ😆
他の山では聞いたことがありません。
ぜひご賞味ください。
そしてもうひとつの楽しみは、爺ヶ岳に登れることです。
扇沢から種池山荘まで登ってしまうと、あとはそれほど標高を上げなくても爺ヶ岳に登れてしまいます。
爺ヶ岳山頂からの展望は良く、針ノ木岳や蓮華岳、立山や剱岳、そして鹿島槍ヶ岳などが一望できます。
しかも爺ヶ岳はわざわざ登るのではなくて、種池山荘から鹿島槍ヶ岳方面に向かう途中に通る山です。
つまりついでにもうひとつ山に登れるというわけです。
なんだか得した気分になりますよね。
それと爺ヶ岳は雷鳥が多いのも有名です。
運がよければ雷鳥に出会えるかもしれませんよね。
ということで、柏原新道から登ると山小屋で焼き立てのピザを食べることができたり、オマケに爺ヶ岳に登ることができたり、雷鳥に出会えたりと盛り沢山でした。
同じくらいの時間をかけて赤岩尾根から登るなら、柏原新道から登った方がメリットが多いような気がしますが、いかがですか?
一般的な登山者や鹿島槍ヶ岳の登るのが初めてという人は、柏原新道から登ることをおすすめします。
テント泊か山小屋泊か
鹿島槍ヶ岳に登ろうと考えている人だと、ある程度の登山経験がある人が多いかと思います。
そうすると既にテント泊の経験がある人も結構いるはずです。
そこで悩むのが、山小屋泊かテント泊かということです。
どちらが絶対にいいということはないのですが、おすすめは山小屋泊です。
理由は、テント泊の装備を担いで登るということは、やはりかなり大変なことだからです。
登山口から一番近いテント場は、種池山荘のテント場です。
コースタイムにして4時間です。
さらにもうひとつの冷池山荘のテント場まで行くと、さらに2時間は余分に歩かなくてはいけません。
僕もたまにテント泊をやりますが、登山口から大体3時間くらいで着くところにテントを張るようにしています。
それくらいの時間がちょうどいいし、それ以上歩くと体がぐったりして疲れきっちゃうからです。
例えば、北岳の白根御池小屋のテント場は、広河原の登山口から3時間です。
白馬岳の白馬大池山荘のテント場も蓮華温泉の登山口からやはり3時間です。
どちらの山も登山口から3時間のテント場を拠点に無理なく登ることができました。
もちろん自分は絶対にテント派という人や体力に自信がある人であればテントでも全然大丈夫だと思います。
山の稜線で自然と一体になれるあの感覚はテント泊でないと味わうことができませんしね。
それに山小屋と違って完全なプライベート空間を作れるのもテント泊の醍醐味ですよね。
でもそれほど体力に自信がないという人や山小屋泊でもテント泊でも特にこだわりがないという人であれば、小屋泊をおすすめします。
鹿島槍ヶ岳に登るおすすめプラン
では次に鹿島槍ヶ岳に登るプランについて考えてみましょう。
同じ山に登るにしても登り方は人それぞれです。
車で行く人もいれば電車やバスで行く人もいます。
登山口で車中泊をして、夜明けとともに登り始める人もいれば、朝に自宅を出発して、昼頃に登山口に着くという人もいます。
それぞれの場合で、登山プランを考えてみましょう。
一般的な柏原新道で登る場合のプランをご紹介します。
早朝から登り始める場合(標準)
まずは早朝から登り始める場合のプランからです。
1泊2日の行程です。
実際はこのパターンが一番多いかと思います。
深夜に車を走らせて夜中に扇沢の駐車場について車の中で朝まで仮眠をします。または夜行登山バスで寝ながら来て、早朝から登り始めます。
登山口から種池山荘までは約4時間なので、種池山荘では軽く休憩をして先へ進みます。
爺ヶ岳に登りつつ2時間歩くと冷池山荘に到着です。
ちょうどお昼くらいになるので、1日目はここで宿泊します。
もっと早く冷池山荘に着いてしかもまだ十分な体力があるというなら、そのまま鹿島槍ヶ岳山頂をピストンするというのもありです。
ただし、夏山の午後は雷雨になりやすいので、要注意です。
2日目は深夜に出発するのがおすすめです。
午前2時から4時くらいには冷池山荘を出発しましょう。
鹿島槍ヶ岳山頂で日の出を見るくらいのペースがベストです。
日の出を山頂で迎えることができれば、お昼過ぎには下山することができるはずです。
お昼過ぎなら余裕を持って家に帰ることができますよね。
余談ですが、お昼は途中の種池山荘で焼き立てのピザがおすすめです。
早朝から登り始める場合(ゆったり)
先ほどは1泊2日で登るプランを紹介しましたが、時間に余裕のある方はゆったりと2泊3日で登るというのもおすすめです。
種池山荘と冷池山荘に連泊することになります。
1日目は早朝から出発して、冷池山荘に泊まります。
2日目は夜が明けてからゆっくりと出発し、鹿島槍ヶ岳山頂をピストンして種池山荘に泊まります。
3日目はのんびりと歩きやすい柏原新道を下るだけです。
どうですか?
山小屋に2泊するとだいぶ予定に余裕が生まれますよね。
しかも異なる2つの山小屋に泊まると、それぞれ違う山小屋ライフを楽しむことができます。
食事もそれぞれ違うので楽しみが増えちゃいますよね。
時間と予算に余裕のある人はぜひ2泊3日でのんびりと鹿島槍ヶ岳に登ってみてください。
日帰りよりも1泊の方が、1泊よりも2泊の方がより記憶に残る山行になるでしょうから。
早朝に登山口に着けない場合
次は1日目の早朝には登山口に着けないという人向けのプランです。
例えば、朝一に自宅を出て車もしくは電車・バスで来て、お昼過ぎくらいに登山を開始するという人です。
お昼頃からの登山はあまりおすすめしませんが、事情によってはそうせざるを得なくなる人もいるかと思います。
この場合は、基本2泊3日の行程と考えてください。
1日目はお昼にスタートなので、とにかく少しでも早く種池山荘まで登ってここで宿泊をします。
冷池山荘まで行くと夕方もしくは日没になるので、種池山荘で泊まりましょう。
2日目は早朝に種池山荘を出発して鹿島槍ヶ岳山頂に登り冷池山荘まで戻ってきて宿泊します。余裕があれば種池山荘まで戻って宿泊でも構いません。
3日目はゆっくりと下山です。
冷池山荘に泊まった場合でもお昼には下山することができます。
1日目の早朝に登山口に着けない場合は2泊必要になるので、登山の日数としては3日間確保する必要がありますので、注意してください。
テント泊の場合
鹿島槍ヶ岳に登るには山小屋泊がおすすめと言いましたが、テント泊についても簡単に触れておきます。
テントの場合は荷物が重いので、基本2泊3日で考えた方が現実的です。
小屋泊でも1泊2日だと少し頑張らなくてはいけませんので。
したがって、テント泊の場合は次のようなパターンになろうかと思います。
①種池山荘のテント場に連泊
②冷池山荘のテント場に1泊、種池山荘のテント場に1泊
冷池山荘までテントを担ぐのがしんどいという人は、種池山荘のテント場に連泊がおすすめです。テントを担いで登るのが4時間で済みます。
脚力に自信がある人は冷池山荘のテント場で一泊、帰りながら種池山荘のテント場でも1泊がちょうどいいかと思います。
冷池山荘のテント場は遠いのでテントを担いでいくのは正直しんどいですが、展望は抜群なので行ける人はぜひ行ってみてください。
ただし稜線上なので強風の場合はテントが飛ばされないよう要注意です。
最後にテント泊全般の注意点です。
鹿島槍ヶ岳は熊の出没情報が多い山域です。
特に種池山荘付近での目撃情報が多く、過去には種池山荘のテント場の使用が一時中止になったこともありました。
山小屋泊の場合もそうですが、特に種池山荘でテント泊の場合は熊が近くにいるということを覚悟で行く必要がありますので、予めご承知おきを。
まとめ
今回は鹿島槍ヶ岳の登り方について書いてきました。
登山道は赤岩尾根と柏原新道の2つがあり、赤岩尾根に比べてとても歩きやすくしかも楽しみが多い柏原新道で登るのおすすめだというお話をしました。
鹿島槍ヶ岳に登るには宿泊が前提となり、歩行時間が長いのでテント泊よりは山小屋泊の方がおすすめでした。
冷池山荘に泊まって1泊2日で登るのが標準的で一般的だということもお伝えしました。
ただし時間と予算に余裕があるのであれば、2泊3日でゆったりと鹿島槍ヶ岳の登山を楽しむのもおすすめでした。
また鹿島槍ヶ岳の登山道では熊の目撃情報が多くあります。
特に種池山荘付近が特に多いようです。
この点も十分に考慮してしっかりとした計画を立てて登るようにしましょう。
今回は以上です。
<ガイドツアーのすすめ> 自分だけでは鹿島槍ヶ岳に登るのが自信がないという人は、登山ガイドツアーをうまく利用しましょう。 ガイドツアーは天候に柔軟に対応できないなどのデメリットはありますが、現地までの交通手段や山小屋などの手配をしてくれます。 また登山中のペース配分の維持をしてくれたり難所などでのアドバイスをもらえたりしてメリットはかなり大きいです。 クラブツーリズムは登山ガイドツアーを豊富に取り揃えています。 クラブツーリズムのガイドツアーから探す リンク先から「山旅・スポーツ」→「日本百名山特集」とクリックしていくと百名山の一覧が出てきて、お好みのツアーを探すことができます。
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