山に登ると多くの登山者とすれ違います。
その度に、こんにちは!、おはようございます!と挨拶をされます。
「いちいち挨拶なんて面倒だな」
「何で挨拶なんてしなきゃいけないのかな」
登山を始めたころは、こんなふうに感じることも多いのではないでしょうか。
登山に関する雑誌や教本みたいなものを読むと、登山中に人とすれ違ったら挨拶をしましょうとか、マナーです、とか書かれていることをよく目にします。
では登山での挨拶について、どのように考えたら良いのでしょうか?
基本的に挨拶はした方がよい
登山を始める際にまず最初に本で読んだり、人から聞いたりすることは、登山中に人とすれ違ったら、挨拶をしましょう、ということではないでしょうか。
なぜ挨拶をした方がよいのでしょう?
都会で暮らしている人からすると、通りすがりの見知らぬ人と挨拶をするのは、かなり抵抗があるかと思いますが、田舎に行くと、結構挨拶をされることが多いです。
私は普段都会で暮らしていますが、登山や旅行で田舎に行くと、見知らぬ人に結構挨拶をされたり、話しかけられます。
都会だと人が多すぎて、いちいち挨拶なんてしていられないでしょうが、たまにしか人に会うことのないような場所だと、人とすれ違った時に無言で通り過ぎるのは、意外と不自然に感じることがあります。
山はというと、どうでしょう?
街中に比べると、格段に人の数は少ないです。
山は田舎にいる感覚とどこか似ていませんか?
挨拶をするしないは自由ですが、しないよりはした方が良さそうですね^_^
単純にマナーとひとくくりにするのは、何だか違和感があります。
挨拶もほどほどに
挨拶はしないよりはした方がいいという話をしました。
それでは、とりあえずいつでも誰にでも挨拶をした方がよいのでしょうか。
答えはNOです。
例えば、自分が下山をしている時に、下から息も絶え絶え非常に辛そうに登ってきている人がいたとします。
この人に対して、こんにちは!と大きな声で挨拶をしたら、相手はどう思うでしょうか。
元気よく挨拶をされて嬉しいと思う人も中にはいるかもしれませんが、大抵の人はこう思うでしょう。
「どうか、そっとしておいてもらえませんか」
「できれば挨拶をしたいけど、体がしんどくて、それどころじゃない」
こういう時は、挨拶というよりは、励ましの言葉を掛けてあげるのがいいです。
「もう少しでゴールですよ」
「山頂の眺めは最高でしたよ〜」
百名山を80座ほど登った私も、こうした何気ない一言に今まで何度も助けられましたよ。
挨拶のその先へ
山での挨拶を推奨する理由として、いざ遭難した時に救助の手掛かりになる、という点があります。
すれ違いざまに挨拶をすることで、挨拶をした相手の顔や姿の特徴、その場所をより鮮明に記憶されることは多いです。
これが救助の際の助けになることは想像しやすいかと思います。
また登山に慣れてくると、挨拶のついでに情報交換をすることも多くなります。
雷鳥の目撃情報や希少な高山植物の開花情報、その先の登山道の詳しい状況なども聴けるかもしれません。
こうなってくると、登山もだいぶ楽しめるようになっているはずですよ。
挨拶をするかしないかで迷っているのではなく、ぜひその先のステージへ進んでください!
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