登山初心者の僕がいきなり富士山に登るのは大変そう。だから、何かトレーニングをしておきたいな。
富士山に登るための練習をするのにおすすめの山はありますか。
一生に一度は富士登山とよく言われます。
実際、これからもしくは近いうちに富士山に登りたいと考えている人は多いと思います。
そんな方に向けて、富士山に登る前に練習として登っておきたいおすすめの山をご紹介します。
ちなみに、山に登ること以外にも普段の生活の中でもできる登山のためのトレーニングがありますので、こちらの記事もよろしければあわせてお読みください。
<この記事の信頼性>
- 筆者は登山歴9年。
- これまで日本百名山をガイドやツアーなしで80座登ってきた実績があります。
- 富士山は2回登頂に成功しています。
- 背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
高尾山(599m)
富士山に登らずとも、関東圏に住んでいる人なら初心者として手始めに登っておきたい山が高尾山です。
都心からのアクセスがとてもいいです。
登山口の最寄り駅となる高尾山口駅へは、新宿からJR中央線または京王線で1時間弱で行くことができます。
車の場合でも、圏央道高尾山インターを降りて5分で多くの駐車場が用意されています。
また、コースタイムも登りで1時間半、下りで1時間くらいです。
3時間もあれば、帰ってくることができます。
またケーブルカーなどの乗り物にも乗れるので、いざという時には、楽をすることもできます。
関東圏に住んでいる人であれば、毎週登るなんてこともできちゃいます。
あと正直言って、高尾山は誰でも登れる山です。
それに山登りの装備がなくても、基本的に登れちゃいます。
体を動かしやすい格好であれば、特に問題はないですし、靴もスニーカーで全然登れます。
ただし靴については、登山靴で登ることを強くおすすめします。
ちなみに、富士山に登るとなると、登山靴を履く必要があります。
全くの登山初心者が登山靴を履くと、とても違和感があるはずです。
重くて長時間歩いていると足が疲れてくる。
ソールが硬いし、足首が固定されて、歩きにくい。
こんなことをまず感じるはずです。
でも、石や岩がゴロゴロした登山道を長時間歩くには、そういった登山靴の力を借りる必要があります。
富士山に登頂して下山するには、トータルで12〜13時間はかかります。
登山道が整備されているとはいえ、石や岩がゴロゴロとしています。
こんな道を何時間もの間、スニーカーで歩きますか?
重い登山靴をいきなり履きこなせますか?
という話です。
絶対に富士山に登りたいという気持ちがあるのであれば、ぜひ初めから登山靴を履くようにしましょう。
高尾山は、登山が全くの初めてという人には、1番のおすすめの山です。
富士山に登るためのファーストステップとして、登ってみるといいですよ。
高尾山の登山道について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
豊富な写真で分かりやすく解説しています。
筑波山(877m)
高尾山と同じく、登山初心者におすすめの山が、筑波山です。
「西の富士、東の筑波」と富士山と並び称される山です。
筑波山は、男体山と女体山のふたつの山からなっています。
男体山へは、筑波山神社から山頂までケーブルカーが延びています。
女体山へは、つつじヶ丘駐車場からロープウェイが山頂まで通っています。
疲れたり、いざという時は乗り物に乗れるというとても便利な山です。
なので登山初心者には、登りやすいです。
しかも筑波山は日本百名山のひとつです。
百名山コンプリートを目指している人にも最初の山としておすすめできる山ですよ。
筑波山も高尾山と同じく、動きやすい服装や靴なら、登るうえで特に問題はありません。
つまり誰でも登れる山です。
ただ、高尾山に比べると、登山口までのアクセスに少し時間がかかります。
電車とバスを利用すると、東京都心からは片道2時間ほどかかります。
つくばエクスプレスでつくば駅まで行き、そこからバスに乗るという行程です。
マイカーの場合は、常磐道土浦北インターから約40分です。
トレーニングの山として高尾山ばかりだと飽きてしまうという人は、たまには少し遠出をして、筑波山にも登ってみると、いい気分転換になりますよ。
筑波山も高尾山と同じく、登山初心者が最初のうちに登る山としておすすめです。
塔ノ岳(1491m)
塔ノ岳は、神奈川県の西部にある丹沢大山国定公園の中に位置する山です。
すぐ隣にそびえる大山と並んでとても登山客の多い山です。
一般的に丹沢というと、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳の3つを指します。
その中でも登山口から一番近いのが塔ノ岳です。
丹沢は、高尾山や筑波山に比べてボリュームの大きい山ですし、しかも標高も高くなります。
ですので、少しレベルが上がります。
登山をしたことがない人は、まず高尾山や筑波山で山に登ること自体に慣れてから、塔ノ岳に登るといいですよ。
では塔ノ岳がなぜ富士登山の練習の山としていいのでしょうか。
富士山の登山道は、厳密にいえばジグザグとつづら折りに登るようにできていますが、少し離れて見てみると、山頂に向かってほぼ一直線に伸びているのが分かります。
他の山であればアップダウンがあったり、途中は平坦な道を歩いたりということもありますが、富士山の場合はそんなものはありません。
ただただひたすらまっすぐ上に向かって登っていくという登山道なのです。
塔ノ岳の登山道も富士山と同じく、山頂に向かってほぼまっすぐに延びています。
この修行にも似た忍耐ともいえる登山道の作りが、富士山と通じるところがあるのです。
どちらの山にも登ると分かりますが、忍耐の山だな、と感じるはずです。
この忍耐を試すのに、塔ノ岳はもってこいの山なのです。
それとあとは標高差です。
富士山の吉田ルートの5合目の標高は2300mです。山頂までの標高差は1400mです。
塔ノ岳の方はというと、登山口の大倉が標高290mなので、標高差は1200mです。
似ていますよね。
東京から近くてお手軽にこれだけの標高差を登れる山はあまりありません。
ですので、塔ノ岳は、富士登山の練習用としては格好の山だといえます。
男体山(2486m)
日光には観光で行ったことがある人は多いと思います。
華厳の滝や中禅寺湖あたりでしょうか。
でも男体山のことを知らない人は意外と多いんじゃないかと思います。
男体山は、中禅寺湖のすぐ隣にあります。
というより、男体山の麓に中禅寺湖があります。
男体山は百名山のひとつとして数えられ、登山者の間ではとても有名な山です。
そして均整の取れた独立峰の様子が、富士山にとてもよく似ています。
登山道は、ほぼまっすぐ山頂に向かって延びています。
あれ?さっきの丹沢の塔ノ岳と似ていますね。
こちらの山もひたすらまっすぐ登り続ける忍耐の山となっております。
男体山は、山自体が御神体と崇められていて、修験の山としても有名なんです。
また標高は2486mと高尾山や筑波山はもとより、塔ノ岳よりも1000mも高くなっています。
より富士山に近い感覚で登山ができる山だといえますよね。
やはり富士登山の練習用の山として、とてもおすすめできます。
乗鞍岳(3026m)
乗鞍岳は、北アルプスの最南端に位置しているとても大きな山です。
最高峰の剣ヶ峰は、標高3000mを超えます。
乗鞍岳の最大の特徴は、なんといっても標高2700mまでバスで行けちゃうというところです。
ちなみに標高2700mの畳平バスターミナルは、日本一高いところにあるバスターミナルとして有名です。
この山で何のトレーニングをするのか。
もちろん高所に順応する訓練ですよね。
乗鞍岳の最高峰である剣ヶ峰に登ることは、とても結構なことです。
でも、標高差が300mしかないので、高山病が大丈夫であるならば、登山初心者でも意外と簡単に登頂できてしまいます。
なので、登頂することがトレーニングの目的ではありません。
あくまで高度に体を慣らすということです。
乗鞍岳には標高差の少ない山がいくつもあります。
また広大なお花畑があるところには、遊歩道が設置されています。
こういった標高差の少ない山を何時間か登り下りしたり、遊歩道を散歩したりするだけで、結構いい高地トレーニングになりますよ。
まず標高の高いところを歩く感覚をつかみたいという人や、富士山に登る直前に標高慣れをしておきたいという人には、乗鞍岳は一番おすすめの山だといえます。
まとめ
いかがでしたか。
登山者初心者が富士山に登るために、まずは登っておいた方が良い山について解説してきました。
要点はこうです。
登山自体が初心者であるならば、まずは高尾山や筑波山といった観光気分で登れるやさしい山に登ってください。
そして長い時間継続して山に登るということに慣れてください。
それができたら次は、もう少しコースタイムが長くて標高差もある塔ノ岳や男体山などの山に登ってみてください。
より長い時間をかけて、より高いところまで登れるようになってくるはずです。
ここまで来れば、登山をするうえでの基礎体力はついてきたといえるでしょう。
あとは、乗鞍岳などの標高の高い山で高度順応のトレーニングをして、富士山にチャレンジしてみましょう。
どうか富士山に登ることに焦らないでください。
少しずつ登山の経験を積んでいけば、必ず無理なく登れるようになりますので。
あとは気象条件さえ良ければ、ほぼ成功したも同然ですよ❗️
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