最初に買った登山靴が、ボロボロになってきたので、そろそろ買い替えたいけど、おすすめの靴はないかな。
ゴローのS8がいいって聞いたけど、何がいいのかを具体的に知りたい。
こんな悩みにお答えします。
<本記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・日本百名山を80座登った実績があります。
・背伸びをしない文章を心がけています。
僕がゴローを選んだきっかけ
僕が登山を始めて9年経ちましたが、これまで2種類の登山靴を履いてきました。
はじめの一足は、アウトレットで買ったコロンビアの軽登山靴です。
確か、1万円くらいだったと思います。
今後も登山をずっと続けるかどうかが分からなかったので、とりあえず間に合わせで買ったという感じでした。
それから関東近郊の山を精力的に登り始め、気がついたら、2年の間に百名山を20座ほど登っていました。
実際はもっと多くの山に登っていたので、ソールは薄くなっていたし、アッパーの生地も破れかけていました。
そろそろ登山靴も買い替えかなと思ったのがこの頃でした。
早速、雑誌やインターネットなどで登山靴について調べると、ゴローのS8(エスハチ)がいいという記事をよく目にするようになりました。
堅牢な昔ながらのオールレザーの登山靴で、あの植村直己も愛用していたというところに惹かれてしまいました。
しかも丁寧に使えば長く履くことができるというのが、一番ポイントが高かったです。
登山用品店に行けば、軽登山靴から重登山靴まで、メーカーも国産からさまざまな外国製の物まで実にたくさんの種類の登山靴が売られています。
でも他のメーカーには見向きもせず、まっすぐ巣鴨のゴローへと足が向かっていました。
いろんな靴を試したいというよりは、ひとつの靴を長く使いたいという思いが強かったからだと思います。
ゴローのS8は高いか
で、ゴローに足を運んでそのま足の採寸をしてもらい、S8を購入しました。
買ったのは2013年頃で、確か税込で3万8,000円ほどでした。
ちなみに2020年7月現在は、税込で40,700円です。
決して安くはないですよね。
最初に買った登山靴が1万円くらいだったので、3万円もの差があります。
これをどう捉えるか。
結論からいうと、決して高くはありません。
最初の登山靴は1万円で買いましたが、2年ほど履いて寿命が来ました。
見た目は好きだったのですが、正直履き心地はそれほど良くありませんでした。
足首のホールド感は弱いし何度も靴擦れを起こしました。
また下りの時には、足への衝撃を抑えることがあまりできずに膝を痛めることもよくありました。
ゴローに替えてからすでに7年ほど経ちました。
一回だけソールを張り替えましたが、それ以外の故障や修理は全くありません。
ソールは歩けば歩くほど消耗するのでいずれ張り替える必要はありますが、それ以外の革の部分はというと、まったく悪くなりません。
もちろん掃除やクリームを塗ったりといったメンテナンスをしていることが前提ではありますが、大事に使ってあげれば靴自体は20年くらいはもつと言われています。
どうですか?
このように考えれば4万円というお金も決して高くはないですよね。
というより一見安いように感じる1万円の方が、実質的には高くつくということが分かります。
これから長期間にわたって登山をやろうというのであれば、目先のことばかりを考えずに、長い目で見て道具を選ぶことが大切だと思いませんか。
登山靴にはお金を惜しんではいけない
先ほどの話と似たような内容になりますが、登山靴にはお金を惜しんではいけません。
高い買い物だから少しでも安くていいものをと考えてしまいますが、その考えは捨ててください。
安い商品は値段相応ですし、逆にお金を出せばそれなりの物が手に入ります。
登山は歩くスポーツです。
当たり前の話ですが、登山は足を使ってやるスポーツです。
なので、足に使う道具が一番大切なのは当然ですよね。
なのにそこをケチるのは問題外です。
どうしても最初からお金をかけるのは嫌だという人は、レンタルをするという手もあります。
高いと言っても何十万円もするわけではありません。
逆に登山靴さえいい物を使えば、それ以外のギアはある程度質を落としても問題はないとさえ僕は思います。
実際、僕が登山を始める時に買ったザックと登山靴とレインウェアのうち、登山靴以外の2つは今でもバリバリの現役です😁
ザック(40ℓ)に関していえば、ワゴンセールで1万円で買ったバーゲン品です。
今となってはだいぶ色あせてきましたが、これまでまったく故障する箇所は見つからず、去年も2泊3日の鷲羽岳と水晶岳の縦走にも活躍してくれました。
それほどザックは丈夫にできていますので、安心してください。
もちろんザックも高価な物の方が背負い心地はいいのですが、安い物だからといって後悔するようなことは基本的にありません。
またレインウェアにしても使用するうちに撥水性は少しずつ劣ってきますが、洗濯とアイロンをしてメンテナンスをしていたお陰で、今でも問題なく使えています。
ただし安いといっても撥水透湿性が十分にあるもの選んでいます。
ゴアテックスでなくても探せばいい商品はあります。
ちなみに僕はこの商品の古いバージョンのものを使っています。
ということで、登山靴は決してお金をケチってはいけないということが分かりましたよね。
登山靴に失敗すると歩くのが億劫になりますが、いい登山靴に恵まれるとどこまでも歩いて行きたくなりますよ。
これ、ホントですよ。
ゴローのS8に出会えて本当によかった、
と僕は思います。
重さは安心と安定感をもたらしてくれる
次は重さについてのお話です。
ゴローのS8は片足で重さが1,150グラムあります。
一般的な登山靴の重さがせいぜい7〜800グラムであることを考えると相当重いです。
実際、慣れないうちはかなり重く感じ、歩き終わるとスネ周辺の筋肉がよく痛んだのを今でも覚えています。
でも、これも歩けば慣れてしまいます。
登山を続けていると山に登る体ができあがるのと同じで、ゴローのS8を履いているとS8を履いて歩く足が徐々にできあがってきますので安心してください。
重さに関しては、むしろメリットの方が多いです。
例えば小さくて極端に重量が軽い軽自動車を運転した時のことを思い浮かべてください。
高速道路を走っていて横から強風が吹いたり、真横を大型トラックが追い越していったりすると、車体が大きくふらついて怖い思いをしますよね。
でも、これが車輌重量が重いSUVだと、多少の横風や風圧ではびくともしません。
これが長時間の運転ともなると、疲れ方にも大きく影響してきますよね。
登山靴の場合も一緒のことがいえます。
重くて頑丈な登山靴を履いていると、軸がブレることなくどっしりと歩くことができるので、結果として長時間歩いた場合でも軽い登山靴を履いた場合よりも楽に感じるわけなんです。
あとS8を重くしている原因は、ソールの厚さです。
でもソールが分厚いということは、登山においてはメリットになります。
デコボコの道でも足がぐらぐらしないで限りなくフラットに歩くことができるからです。
登山道には木の枝や根っこ、石ころなどが無数に転がっていています。
そこを底が薄い靴で歩くとバランスを取ろうとして余計な力が入るので、とても足が疲れます。
でもソールの分厚いゴローのS8で歩けば、疲れ知らずというわけです。
ということで、登山靴が重いということは欠点ではなくむしろメリットの方が多いということが分かりましたよね。
その点、ゴローのS8はとても優秀な登山靴だといえます。
オールレザーなら完全防水
ゴローの登山靴は全て革でできています。
革の中でもS8は裏出し革なので、購入時点ではヌバックのように表面が起毛しているようになっています。
一見すると水に弱い気がしますが、そこは安心してください。
靴を購入して実際に履いて歩く前にやることがあります。
ゴローで販売されているアウトドア用の防水ワックスを塗り込む作業です。
起毛した革にワックスを塗るというのは、かなり抵抗があるかもしれませんが、ここは思い切ってやりましょう。
クリームを塗り込むと明るい茶色をしていた革が一気に濃い茶色に様変わりします。
これを1日放置してから丁寧にブラッシングをすると、焦げ茶色をしたツヤツヤの登山靴ができあがります。
革にクリームの栄養分と防水性がしっかりと浸透しているはずです。
ここで試しに革に水をかけてみると分かりますが、全く染み込みません。
完全防水になります。
完全防水は、思ってる以上にメリットが大きいです。
雨が降っているときはもちろんですが、登山道は濡れていたりぬかるんでいることが多々あります。
ここをいくら撥水処理がなされているとはいえ、ファブリック素材の登山靴で歩くと、どうしても濡れや汚れが気になってしまいます。
でも完全防水加工をしてあるゴローの登山靴なら、何のためらいもなく歩いて行くことができます。
濡れたり汚れたりしても、水洗いをしてサッと拭き取るだけで済んでしまうからです。
どうですか?
クリームを塗ったりブラッシングをするといった作業は必要になりますが、意外とお手入れは簡単なんです。
さあ、あなたも完全防水の登山靴を履いて登山を始めてみませんか。
革は呼吸している
ゴローのS8は防水ワックスを塗ると完全防水になるということをお伝えしました。
完全防水と聞くと何だか通気性が悪くて靴の中が蒸れそうなイメージがあるかもしれません。
でも結論からいうと、S8は蒸れません。
なぜなら革が呼吸しているからです。
人工の素材と違って、天然素材の本革は常に呼吸をしています。
ビジネスジュースでもオールレザーの靴を履いてみると分かりますが、一日中歩き回っても驚くほど蒸れが少ないです。
それに足のイヤな臭いもあまり発生しません。
これは何よりも革が呼吸をしているという証拠です。
合皮やファブリック素材の靴を一日中履いていると、デスクワークであっても靴の中が蒸れて足が臭くなることを考えるとよく分かるかと思います。
それくらい本革の威力というのは大きいんです。
そしてこの蒸れの少なさをより実感するためにおすすめするのが、ウール素材の極厚のソックスです。
おすすめはスマートウールのこちらのソックスです。
ゴローの登山靴との相性が最高にいいので、ぜひ一緒に履いてみてください。
ただでさえ暑い夏山に極厚のソックスって・・・
と思うかもしれませんが、
コレが除湿に大活躍してくれます。
極厚といっても中は起毛していて、クッションのようになっています。
汗は吸ってくれるし、起毛しているおかげで全くベタつきません。
夏の気候と同じで、気温の高さよりも湿度の高さで不快感が決まります。
湿度を減らしてくれる極厚ソックスを履けば、とても快適になります。
通気性が高い本革の登山靴を、除湿機能に優れた極厚のウールソックスと一緒に履く。
コレが長時間にわたって山を登る時にどんな効果があるか、分かりますよね😁
スマートウールのソックスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
S8は岩のように頑丈
ゴローのS8は、ただ重量が重いだけでなく、とても頑丈にできているというのも特長です。
実際に商品を手にしてみると分かりますが、最初のうちは革が硬くてほとんどしなりません。
またつま先部分はまるで工事現場で使う安全靴のように硬く作られています。
なので少し強めに靴を岩にぶつけたり木の枝などで靴を引っ掻いてもびくともしません。
何かが当たったかも、
なんか擦ったかも、
程度で済むことがほとんどです。
とても心強いと思いませんか。
これがファブリック素材の登山靴だとそうはいきません。
生地が傷んで場合によっては破れたり、衝撃で足が痛んだりしますので、その差は大きいです。
大自然の山の中では少しでも怪我や故障のリスクを減らしたいので、登山靴が頑丈であるということはとてもポイントが高いですよね。
硬くて頑丈なゴローのS8って、とても頼もしく感じてきましたよね😁
まとめ
いかがでしたか。
今回は僕がゴローのS8を履き続ける理由について書いてきました。
本革の登山靴というと、重くて手入れが大変だというイメージが強いかもしれません。
でも、実際はメリットの方がはるかに多いので、そんなマイナスのイメージはもう消えましたよね。
ゴローのS8には、こんなにもたくさんのメリット何ありました。
さあ、あなたも自分にピッタリの登山靴を見つけて、快適な登山をしてみませんか。
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