入笠山はとても魅力的な山です。
富士山や槍ヶ岳などの様に誰が見ても分かるような特徴的な形をした山ではありませんし、誰もが知っている様な有名な山でもありません。
でも、少し登山をかじった人であれば大抵の人が知っているのが、入笠山です。
入笠山は、純粋に山に登ることが好きな人であれば、とても楽しみの多い山だからです。
そして、今や入笠山に登る人で立ち寄らない人はほとんどいないだろうというほど有名な山小屋が、マナスル山荘本館です。
今回の記事では、入笠山に登るならマナスル山荘でおいしいランチを食べて、ほっこりする方法をご紹介します。
宿泊するとさらに楽しいみたいなので、時間とお金に余裕のある方は、お泊まりも検討してみるといいですよ。宿泊した人が朝出発する時の顔を見るとよく分かります。みんながとても楽しそうに笑顔で小屋を出て行きますので。
マナスル山荘でおいしいランチを食べるための行き方
入笠山に登るには、2つのルートが一般的です。
一つが、マイカーもしくは電車+送迎バスで富士見パノラマリゾートまで来て、ゴンドラに乗って標高を稼いでから登るルートです。こちらのルートは、冬でもそれ以外の季節でも利用しやすいので、利用する人が一番多いです。
もう一つが、車を沢入駐車場にとめてそこから徒歩で山頂まで行くルートです。
下から歩くといっても、登りで2時間から2時間30分くらいのコースタイムです。
ただし、沢入駐車場から登るルートは、冬季はあまりおすすめできません。
登山仲間によると、駐車場までの道の傾斜がかなり急で、スタッドレスタイヤを履いていても4輪駆動車でないと厳しいとのことです。
また、登山道も降雪直後は赤い目印のテープが見づらかったりして、迷いやすいそうです。
ですので、冬季に入笠山に行くのであれば、富士見パノラマリゾートから行くのが無難です。
冬以外の季節で、車を利用できる人であれば、沢入駐車場からのルートもぜひ利用してみてください。じっくりと入笠山を味わうことができますよ。
看板犬のお出迎え
さて、どちらからのルートであっても、1時間から1時間30分も歩けば、無事にマナスル山荘に到着するはずです。
山荘に着くとまずお出迎えしてくれるのが、山荘の看板犬です。2020年2月現在は、「あじ」という名前の黒い犬がいるかと思います。
マナスル山荘の看板犬は、私が知っているだけでも現在のあじで4代目です。
とろ→うに→こはだ→あじ
の順番です。
みんな変わった名前ですが、なぜそうなったのかは、分かりません。
現役のあじもかわいいのですが、私個人的には、「こはだ」が一番好きでした。
こはだは保健所から山荘に引き取られ、4年弱の間マナスル山荘の看板犬として活躍しました。
山荘に着くといつも吠えたりせずに静かに近づいてきて、挨拶をしてくれました。
多くのお客さんから可愛がられていたみたいです。
看板犬に会いに行くのもマナスル山荘を訪れる一つの楽しみになります。
山小屋に犬がいるというのは珍しいので、犬好きにはたまりませんよね。
やさしいご主人やスタッフの方のおもてなし
さあ、看板犬に挨拶をしたら、次は山荘の御主人やスタッフの方たちが暖かく迎え入れてくれます。最近の山小屋は、昔ながらの体育会系のイメージのところは減り、だいぶお客さんを迎え入れる感じのところが増えてきましたが、マナスル山荘はその中でもピカイチだと思います。
現在の山荘のご主人の山口さんは、もともと山小屋での勤務経験が長く、山岳レスキューやガイドの実績もある方です。しかも気象予報士の資格も持っていらっしゃるようです。こんな方が経営されている山小屋なので、とても安心して利用することができますよね。
それとすごいのが、常に経営者目線で運営をされていることです。山小屋でありながら常に新しいことにチャレンジをされています。お客さんが喜びそうなツアーを色々と組んでみたり、山小屋では珍しいお酒の飲み放題をやってみたり、ホームページやSNSでの情報発信もかなり積極的にされています。
以前、マナスル山荘のホームページで、従業員募集の記事を見たときに、なるほどと思いました。
「どういうサービスを提供したらお客さんに喜んでもらえるかを考えられるか」「山荘の売り上げをアップさせるためにできることを常に考えて行動できるか」といったことを求める人材として書かれていたのを記憶しています。
山口さんの山での豊富な経験としっかりとした経営者目線が、このマナスル山荘を他にはない快適だけれども安心して利用できる山小屋にしてくれているんだとつくづく感じます。
おいしいランチ
そしてお目当てがランチですよね。
まるでどこかのレストランか食堂と見間違えたかと思うほど、メニューが充実しています。
百名山を80座ほど登ってきた私もこれまでいろんな山小屋を利用してきましたが、これほど食事のメニューが充実している山小屋は他にはありません。
覚えているだけでも、唐揚げ定食、山賊焼き定食、ソースカツ丼、カツカレー、鍋焼きうどん、ビーフシチューなどをこれまで食べているはずです。
どれもレベルが高くとてもおいしいですし、ボリュームもたっぷりです。サイズもフルとハーフを選べたりします。なんというきめ細やかな対応でしょうか!
気になる方はマナスル山荘本館のホームページをご覧ください
※すぐ隣にマナスル山荘天文館という似たような名前の山小屋がありますが、今お話ししているのはマナスル山荘本館の方です。お間違えのないように。
最近はカレーバイキングなんてのもやっているそうです。一度食べてみたいですね。
また、TwitterやFacebookに投稿すると、ランチコーヒーが無料になるという嬉しいサービスもやってくれていますので、ぜひ利用したいところですね。
それとコーヒー一杯でもいいので何か注文をすると、野沢菜やその時々に作った漬物をサービスしてくれたりと至れり尽くせりです。
いろんな山小屋を見て歩いてくると、「あぁ、マナスル山荘たまらん!」となるわけです(笑)
マナスル山荘名物「ビーフシチュー」
ランチの中でも大抵の人がお目当てにしているのが、名物のビーフシチューです。
鉄鍋に入れられて提供されます。
本当に本当においしいから、ぜひ一度食べてみてください!
一流レストランにも引けを取らない味だと思います。
食べ物のことなので、言葉で説明するのは限界があります。
ぜひ一度お試しください。絶対に後悔はしませんよ!
ただし、数量限定なので注意が必要です。
宿泊者は優先して予約をすることができるそうですので、どうしてもはずしたくないという人は、泊まってみるのが確実です。
ただ宿泊の予定がない人でも、富士見パノラマのゴンドラを利用すると、当日チケットを購入後に電話予約ができるそうです。耳寄り情報ですね。
ちなみに私は、入笠山には毎年6月のすずらんの咲く時期か1月や2月の雪山の時期に行きます。朝一で入笠山に登ってランチの営業開始の11時に合わせてマナスル山荘に降りてきます。営業開始と同時に入ると、ビーフシチューを頼めなかったことはこれまでありませんでした。
とはいえ、大人気のビーフシチューだけに、それ以前に大量の予約が入ったりすると品切れになる可能性もありますので、宿泊したりパノラマゴンドラ利用での予約をお勧めします。
私はというと、他の充実したランチメニューでも十分に満足できますので、たとえビーフシチューが食べられなくても大丈夫と思っています。ですので、予約まではしませんが。
それと気をつけておきたいのが、宿泊やランチ営業がお休みの日が月に何日かありますので、必ず山荘のホームページで事前に確認してくださいね。
まとめ
いかがでしたが?
入笠山は一年中気軽に登れるとてもいい山です。
私は6月のすずらんの花のシーズンと雪山の時期に毎年行っています。
そして行くと必ず立ち寄るのが、マナスル山荘です。
マナスル山荘には魅力がいっぱいあります。
山荘に着くと、まず看板犬がお出迎えをしてくれます。
現役の「あじ」はまだ若くてやんちゃなので、吠えてくるかもしれません。
でも遊びたくてたまらないんだと思います。
看板犬はこれまで代々マナスル山荘を訪れる登山者から可愛がられたきたので、何度か
山荘に行くうちに、「看板犬に会いに行く」というのも一つの目的になるかもしれません。
また山荘のご主人とスタッフの方は、登山者のために様々な工夫を凝らしていて、とても山小屋とは思えないほどの居心地の良い空間を提供してくれます。
そして皆さんのお楽しみがランチです。
メニューが豊富で選ぶのを迷ってしまうほどです。特にビーフシチューが有名ですが、とても人気があるため、完売してしまうことが多々あります。どうしても逃したくないという人は、宿泊して予約をするか富士見パノラマリゾートのゴンドラを利用して当日に事前予約をすることをお勧めします。
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