山に登ることに慣れてきたので、もう少しレベルを上げたいと思っています。どこかおすすめの山はないですか。
百名山の中でいつでも気軽に登れて、しかもトレーニングにもなる山はないですか。
このような疑問にお応えします。
<この記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・これまで日本百名山をガイドやツアーなしで80座登ってきた実績があります。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
瑞牆山は登山初心者にもオススメの山です
登山を始めると関東圏の人ならばまず高尾山や筑波山に登るかと思います。
そしてこういった低山に登るのに慣れてくると、次はもう少しレベルの高い山に挑戦したくなるものです。
そこでオススメしたいのが、日本百名山のひとつとして数えられる瑞牆山(みずがきやま)です。
標高は2,230mあり、長野県と山梨県の県境付近の奥秩父にある山です。
オススメしたい理由をざっと挙げると以下のとおりになります。
では、オススメする理由についてひとつひとつ解説していきますね。
関東からのアクセスがいい
瑞牆山へのアクセス方法は、以下のとおりです。
<公共交通機関>
JR中央本線韮崎駅からバスまたはタクシーで約1時間。
<マイカー>
中央自動車道 須玉インターから約50分
東京都心からなら3時間もあれば登山口に到着することができます。
東京から北アルプスの玄関口である上高地までは、4時間ほどかかることを考えれば、近いといえるかと思います。
片道1時間違うということは、当然、往復で2時間も違うということですから。
特に関東圏から行く人の場合は、移動時間が短くてすみますので、瑞牆山は気軽に登れる百名山というイメージが一般的です。
登山はとても体力を消耗するスポーツなので、移動時間が短いということは、とても魅力的ですよね。
山小屋が充実していてスケジュールを立てやすい
瑞牆山に登る場合、山小屋が充実しているというのもとても魅力的です。
登山口の駐車場付近には「瑞牆山荘」がありますし、登山口から1時間ほど登ったところには「富士見平小屋」もあります。
朝一に登山口に着けない場合は、瑞垣山荘や富士見平小屋に泊まって、翌日余裕を持って瑞牆山に登るということができます。
関東の人であっても予定があって早い時間に登山口に着くことができない場合や遠方から来る人にとっては、スケジュールが立てやすいというメリットがあります。
特に初心者の人には宿があるというのは、とても心強いのではないでしょうか。
短時間で登ることができる
瑞牆山はコースタイムが短いというのも初心者にはオススメのポイントになります。
登り3時間、下り2時間の合計5時間もあればピストンすることができます。
高尾山や筑波山といった低山のコースタイムが大体3時間程度なので、そこからのステップアップという意味ではちょうどいい山だといえます。
2〜3時間の登山じゃ物足りない、でも一日に7〜8時間も歩くとなるとちょっと長すぎるという人には、ぴったりの山だと思いませんか。
歩く時間が長いと、慣れないうちはとても疲れますし楽しかったことよりも辛かった思い出の方が多くなりやすいです。
とにかく登山を楽しむことを重視するのならば、適度な時間で登山をすることをオススメします。
その点、瑞牆山は最適な山のひとつだといえます。
登れる期間が長い
登れる期間が長いというのもオススメのポイントのひとつとなります。
富士山や北アルプス、南アルプスといった3,000m級の山は冬が長いです。
一般的な登山のシーズンは、富士山なら7月と8月、アルプスなら7月から10月中旬ころまでとなります。
一年のうちほとんどが雪があるというイメージです。
登山ができる時期がとても短いですよね。
一方、瑞牆山はどうでしょう。
さすがに5月はまだ雪が少し残っているので初心者の人は避けたほうがいいですが、6月になれば雪も溶け凍結の心配もなくなるので普通に登れるようになります。
シーズンの終わりも、10月か場合によっては11月の上旬まで問題なく登れることも多いようです。
少なくとも5ヶ月間は誰でも登れそうです。
ですので、いつでも気軽に登れるというイメージが強いのも瑞牆山のいいところです。
初夏や晩秋といった時期は登山道の状況や気象条件が厳しくなるので、一般的に登山の難易度が上がります。
ですが、瑞牆山に関してはその点比較的登りやすく登山者にやさしい山であるといえます。
三点支持のトレーニングに最適
瑞牆山は三点支持の練習をするのに最適の山です。
登山のレベルを上げていくのに避けて通れないのが、岩場を登る技術の修得です。
登山道には単に2本の足だけで歩けるところばかりではありません。
4本の手足を駆使して登って行かなくてはいけない場合も多々あります。
段差が非常に大きいところや傾斜が急な岩場などがこれにあたります。
ここで必要になるのが、「三点支持」という技術です。
手足4本のうち3本で体を支えつつ、残りの1本で次の手がかりをつかんで進んでいくという方法です。
こうすることで岩場などの危険箇所を安全に通過することができます。
北アルプスの槍ヶ岳や剣岳といった登山者なら誰もが憧れる山にいつかは登りたいというのであれば、必ず習得する必要がある技術になります。
で、瑞牆山ならこの三点支持の練習を存分にすることができます。
というのも、瑞牆山は山全体が花崗岩でできていて、そこに木が生えているといった山だからです。
ですので登山道の大半は岩場となります。
しかも段差が多く、傾斜も急です。
ということは、登るのに三点支持が必要になるということです。
でも安心してください。
剣岳や槍ヶ岳のように、崖っぷちのところを這いつくばって登っていくようなところはありません。
岩場と友達になるような感覚で楽しみながら登るようにするといいですよ。
そうすればきっと岩場は怖いところではなく、むしろワクワクするところに変わるはずです。
私は岩場を登るのがとても好きです。
どこに手や足を置けばスムーズに登れるかを考えながら登るのが、まるでパズルのようで楽しいからです。
ぜひあなたも岩場を登るのが好きになって、もっともっと多くの山にチャレンジしてみてください。
登山の幅がグッと広がりますよ。
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