日本人ならこれまでに一度は富士山に登ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
でも、思っただけで結局行動に移せなかった、という人が大半だと思います。
それはおそらく、富士山に対してマイナスのイメージが、多くの人の中にあるからだと思います。
例えば、こんな感じですかね。
<富士山に対するあなたのイメージ>
・高山病が心配
・小屋が激混みで雑魚寝は必至。二度と泊まりたくないという話を聞いた
・登山道が渋滞する
・物価が高い
・疲れるうえに膝がボロボロになる
・一度の登山のために道具をそろえるのがイヤだ
でも「一生に一度は富士登山」と考える人が多いのも事実です。
この記事を最後まで読んでいただくと、上記のような不安や悩みが解消され、富士登山にチャレンジしてみようと思えてくるはずです。
<この記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・これまで日本百名山をガイドやツアーなしで80座登ってきた実績があります。
・富士山は2回登頂に成功しています。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
高山病はある程度予防が可能です
富士山に登るうえで一番心配になるのが、高山病ではないかと思います。
でも、高山病は対策をすればある程度予防することが可能です。
そもそもの話として、富士登山には高山病はつきものであると考える必要があります。
富士山の標高は、3776メートル。
言わずと知れた日本一標高の高い山です。
日本で2番目に標高が高い山である北岳(3193m)よりも600メートル近くも高いんです。
日本には3000メートル前後の山は結構あるのですが、やはり富士山はずば抜けて高いです。
4000メートルに迫る山だという認識が正しいでしょう。
富士山の山頂まで行くと、半数以上の人が高山病になるといわれています。
でも、諦める必要はありません。
しっかりとした高山病の対策をすれば、無理なく登れるようになります。
実際、毎年多くの人が、初めての登山で富士山に登頂しているのですから。
高山病予防のポイントを挙げておきます。
・十分な睡眠を取る
・小まめに水分補給をする
・とにかくゆっくり歩くこと
・余裕を持った計画を立てること
高山病予防と対策についての詳細は、こちらの記事をお読みください。
何かに不安になるのは、それについての情報を知らないからです。
冷静に正しい情報をインプットさえすれば、霞んでいた視界がすぅっと開けてきます。
高山病予防の対策をしっかりとすれば、富士山が初めての方でもだいぶハードルが下がります。
よし富士山に登ろうと決めた人は、ぜひ実践してみてください。
ピークの時期をずらすと比較的快適に登れます
富士山の登山は、ただただ多くの登山者でごった返している、というイメージがありませんか。
実際にお盆の時期をピークに、富士山の登山者の数は相当なものになります。
登山道は大渋滞し、山小屋は超満員でぎゅうぎゅう詰めの雑魚寝。
だから富士山には二度と登りたくない。
そんな話はよく聞きます。
実際そうなんだと思います。
でも、少しピークの時期をずらすだけで、比較的快適に富士山の登山を楽しむことができますよ。
おすすめは、7月の開山日前後です。
可能であれば、平日に登ると空いててなお良しです。
富士山の開山期間は、例年7月の第一週あたりから8月いっぱいまでとなっています。
多くの山小屋が営業しているのが、この期間になります。
この期間以外は、公には閉山期間となり、登山をする場合は自己責任となります。
私は過去に2回富士山に登っていますが、どちらも7月の開山日前後です。
一回は山小屋泊で、もう一回は夜中から登り始めてその日のお昼には下山をするいわゆる弾丸登山でした。
山小屋泊の時は開山日直後の平日でした。
平日ならまだこの時期だと比較的空いているようでした。
山小屋は、7合目の東洋館に泊まりましたが、本来4人並んで寝るところを何と2人でのびのびと寝ることができました。
そこはまぎれもなく富士山の山小屋です。
でもまるで天国のようでした。
この様に、同じ富士山に登るにしても、少し登る時期をずらしてみたり、平日に登ってみたりすると、思った以上に空いていることがありますので、おすすめですよ。
一生に一度の富士登山と考えている人であれば、ぜひ有給休暇を取って平日に登ってみてください。
さらに言えば、登る日が梅雨明け10日間と重なると最高です。
なぜなら梅雨明け10日間は、統計的に晴れる日が多いからです。
晴れる確率が高くて、比較的登山者の数が少ない日を目指して登りましょう!
またひとつハードルが下がりましたね😁
物価が高いのには相応の理由がある
山の上で物を買うと、普段では考えられないような高い値段になっていることが普通です。
このことは山に登らない人でもよく知っていることかと思います。
富士山においてもそれは同じことが言えます。
500mlのペットボトルのジュースや350mlの缶ビールが500円くらいするのは当たり前です。
物価が高いと、人はまずマイナスイメージを持ちます。
山に登ったことのないあなたも、きっとそう感じているはずです。
登山をしない人と山の話をすると必ずと言っていいほど出てくるのが、「山の上では物が高い」という話です。
この物価が高いということも、一般的に登山に対するイメージを悪くしているひとつの要因ではないかと私は考えます。
でも、山の上で物が高いのには、それ相応の理由があります。
手間と時間と費用がかかるからです。
山の上に荷物を運ぶということは、とても大変なことです。
車でたどり着けないところは、人が担いで行かなくてはなりません。
小屋の近くにヘリポートがある場合、ヘリコプターで荷揚げをすることになりますが、とても費用がかかります。
例えば、荷揚げのために1時間ヘリコプターをチャーターするだけで30〜40万円くらいかかると言われています。
もちろん定期的に飛ばすとなると、もう少し安くなるかとは思いますが。
それにしても高いですよね。
都会の街角で小まめにトラックを停めながら自販機やコンビニに商品を納入するのと比べたら、とても効率が悪く、大掛かりなのが分かりますよね。
山小屋の人は日々こうやって多大な苦労をして登山者であるあなたのために準備をしてくれているのです。
だから、ベテランの登山者たちは、山小屋で売っているジュースやビールが高いなんてこれっぽっちも思っていません。
むしろ、自分たちのために用意してくれてありがとう、と感謝の気持ちを込めてお金を払います。
そう思うと、良識のあるあなたならもう「山で売ってる物が高い」なんて言葉は出て来なくなるはずですよね。
ほら、またひとつハードルが下がりましたね😄
疲れにくい登り方をする、トレッキングポールを利用する
富士山に登るというと、とにかく大変で疲れるとイメージが強いんじゃないでしょうか。
実際、それは間違いではありません。
富士山は、標高3776メートル、標高差1400メートル、コースタイム往復12時間の山です。
普段登山をしている人なら感覚的に分かりますが、はっきり言って大変な山です。
でも、毎年多くの登山初心者の人が富士山に登頂しているというのも事実です。
だから心配しなくても大丈夫です。
登り方にはコツがあります。
歩幅を小さくして、とにかくゆっくりゆっくりと登ることです。
ゆっくりゆっくりがポイントです。
ゆっくり歩くと、息が上がりませんし、無駄な筋力も使いません。
富士山の登りは長期戦です。
焦らずにゆっくりと登ります。
自分は若いから体力に自信があるからと張り切ってハイペースで歩くと、すぐに疲れて休憩する羽目になります。
かかなくていい無駄な汗も出てきます。
そしてそのうちゆっくりと一定のペースで登っていた中高年の人に抜かされる。
この様な場面は、長年山に登っているとよく見かけます。
歩幅を小さくゆっくり歩くと疲れにくくなり、結果として早く登れるということを忘れないでください。
それと杖をついて歩くことを強くオススメします。
足の疲労軽減に非常に効果的です。
富士山だと、登山口で売っているためか金剛杖をついている人が多くいます。
金剛杖は刻印もしてもらえるので、登山の記念に買うというのもありでしょう。
でも、少し不便かもしれません。
金剛杖は折りたたみができませんので、岩場などの手を使って這いつくばって登るようなところでは邪魔になってしまいます。
なので、不要な時は折りたたんでザックに収納できるトレッキングポールを使用するといいでしょう。
トレッキングポールを使うと何がいいか。
人間はふだんは二足歩行をしますが、両手にトレッキングポールを持つと、まるで四足歩行になったかの様な感覚になります。
つまり荷重や踏ん張る力を4箇所に分散することができるようになるんです。
そうすると足にかかる負担がとても軽くなります。
歩行時間が長い富士山での効果が高いことは、歩かなくても分かりますよね。
しかも下山する時にかかる膝への負担も軽減してくれるので、膝の痛みに不安を感じている人にも朗報ですよね。
一般的に山に登る場合はそうなのですが、特に富士山に登る時は、トレッキングポールを使うと少しでも楽に登れる様になりますよ。
どうですか?
歩き方のコツを覚え、便利な道具を取り入れれば、少しは楽に富士山に登れる様な気がしませんか?
これでまたひとつハードルが下がりました🤣
道具をレンタルするという選択肢もあり
富士山にだけ登りたい人や富士山をきっかけに登山を始めたいという人は、多いと思います。
こういう人は富士山に登るための道具を揃えることに抵抗を感じていることも多いんじゃないでしょうか。
登山靴や登山用のレインウェア、ザックなどは、登山をするには三種の神器といわれるほど重要な道具です。
でも、今後登山をしない人からすれば、ただの高い買い物でしかありません。
なので、こういった登山道具はレンタルするというのも選択肢として入れておくのもいいかもしれません。
レンタルといっても、インターネットで事前に申し込みができるので、現地で手続きをする必要はありません。
また毎回クリーニングもされるので、清潔な状態で使用することができます。
全て借りなくても、足りない物だけレンタルするといった使い方もできますので、利用価値は高いですよね。
レンタルは富士登山で利用する人がとても多いです。
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