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最近登山をする人が多いけど、何のメリットがあるの?何が楽しいの?
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そもそも人はなぜ山に登るの?
何かのきっかけで登山に興味を持ったり、これから登山をしようかと迷っている人のなかには、こんな風に考えている人が多いと思います。
この記事を読んでいただくと、登山の魅力や山に登ると得ることができる何かを知ることができます。
山に登ることの意味を知ると、あなたもきっと登山を始めたいと思うようになるはずです。
<この記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・これまで日本百名山をガイドやツアーなしで80座登ってきた実績があります。
・背伸びをしない分かりやすい文章を心がけています。
人はなぜ山に登るのか
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「人はなぜ山に登るのか」
「そこに山があるからだ」
昔からよく聞く言葉なので、誰もが一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
でも、これを聞いてピンときたことがある人はいますか?
少なくとも私はないですし、私の周りにはいません。
でも、これまでいくつもの山を登ってきて、いつも思うことがあります。
それは、山に登ると生きる力が湧いてくるということです。
ちょっと分かりにくいですよね。
少しずつ分解して説明していきますね。
山に登ると腹が減る
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山に登ると、普段の生活では考えられないくらいのカロリーを消費します。
具体的にどれくらい消費するのでしょうか。
体重50キロの人だと1時間あたり約360キロカロリーを消費します。
往復5時間くらいの一般的な日帰り登山にあてはめると、1800キロカロリーほど消費することになります。
しかも実際は数キロの重さの荷物を背負って登ることになるので、消費カロリーはもっと増えるはずです。
一般的な日帰り登山であっても、2000キロカロリーくらいは消費するといえそうです。
これは体重50キロの軽い人にあてはめた場合の話です。一般的にはもっと多くなるのは分かりますよね。
では、これが多いのか少ないのか。
活動量の少ない成人男性が一日に摂取すべき食事量は、約2200キロカロリーといわれています。
ということは、簡単な日帰り登山をするだけで、一日に必要なカロリーを消費してしまう計算になります。
なので、登山をすると腹が減るわけです。
お腹いっぱいご飯を食べても、また山を登り続けると永遠と腹が減るというわけです。
いわば常に空腹で「飢えている」ともいえます。
山に登ると喉が渇く
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山に登ると、普段の生活では考えられないほど大量の汗をかきます。
山を登るという行為自体だけでも汗をかくのに、これが何時間も登り続けることを考えると、大量の汗をかくだろうことは簡単に想像できますよね。
汗をかけば、水分を補給する必要があります。
では、登山をするとどれぐらいの水分を摂取する必要があるのでしょう。
一般的によく言われるのが、次の計算式です。
必要水分量(ml)=体重(kg)×行動時間(H)×5(ml)
例えば、体重70キロの人が1日に7時間の登山をする場合、2450mlの水分が必要になる計算です。
ただし、これは夏ではなく軽装での登山を想定した数字になります。
真夏の稜線を歩く場合だと5(ml)のところを6〜7(ml)くらいに読み替えて計算する必要があります。
ものすごい量ですよね。
とにかく登山には水分が必要です。
真夏の場合だと、いくら水があっても足りません。
多すぎかもと思うくらい大量に持っていかないと、山のど真ん中で水分が尽きるなんてこともあり得ます。
とにかく喉が渇くわけです。
水を飲んでも飲んでもひたすら喉が渇く。
こんな状況、日常の生活でありますか?
つまり、登山中は常に喉の渇きで水分に「飢えている」と言えます。
山に登ると十分な睡眠が取れない
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登山中に宿泊をするとなると、山小屋に泊まるかテントを張って寝るかしか選択肢はありません。
規模の大きい山小屋なら、普通の布団に寝ることができます。
でも、夏の富士山だったりお盆や連休などに山小屋に泊まると、そこは地獄絵図と化します。
布団2枚に3人が寝るのならかなりいい方で、ひどい時には布団1枚に2〜3人も寝るなんてことも珍しくありません。
朝の満員電車に例えていうなら、乗車率200パーセントから300パーセントといったところでしょうか。
知らない人が寝返りを打って寄ってくるし、イビキはうるさいし、部屋の中は暑いはで大変な思いをして寝ることになります。
とても十分な睡眠が取れるとは言えません。
テントの場合はどうでしょう。
テント泊の場合、テントの中にスリーピングマットを敷いて、その上に寝袋で寝ることになります。
マットを敷くので床が固くはありませんが、やはり布団に比べると寝心地は良くありません。
朝起きると、腰が痛いなんてことはしょっちゅう起こります。
つまり、山小屋に泊まっても、テントを張って寝ても、十分な睡眠は取れないということです。
そして、その眠い状態でまた登り始めるわけです。
泊まりを伴う登山をすると、常に睡眠に「飢える」ことになります。
山に登ると風呂に入れない
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登山をするために一旦山に入ると、そこから先は下山するまでお風呂に入ることができなくなります。
たまにシャワーを浴びれる山小屋もありますが、その場合でも環境保護のために石鹸を使うことはできません。
ほんの気持ち汗を流せる程度です。
宿泊を何泊も伴う長期の登山となると、当然何日もお風呂に入れないということになります。
山に登るたびに大量の汗をかく。
そしてそれが何日も続くとどうですか?
「お風呂に入ってキレイにしたい」
そうです。
清潔感に「飢える」ことになります。
つまり飢えるということ
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ここまで山に登ると感じることをいくつかのポイントに分けて説明してきました。
・腹が減って空腹で飢える。
・喉の渇きが止まなくて水分に飢える。
・満員の山小屋や寝心地の悪いテントでは十分に寝ることができず、睡眠に飢える。
・汗をいっぱいかいてもお風呂に入れず、清潔感に飢える。
つまり、キーワードは、「飢える」です。
山に登ると、さまざまな角度から飢えが忍び寄ってきて、時間とともにそれが蓄積されていきます。
そうすると、早く普段の生活に戻りたいと思い始めるわけです。
当たり前にあるものに感謝する心が芽生える
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山に登ってさまざまな飢えを感じたまま下山をします。
そしてまた普段の生活に戻ってきます。
普段の生活に戻って来ると、何が起きるでしょうか?
こんな感情が溢れてくるはずです。
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いつでも好きなだけ美味しいご飯が食べられるじゃないか!
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蛇口をひねればいつでも好きなだけ水が出るなんて、何て恵まれてるんだ!
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家の布団で寝ると、こんなによく眠れるんだ!
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体を洗うのってこんなに気持ちがいいものなんだ!
これまで長い間の飢えによって枯渇していたものが、一気に満たされます。
そうすると感情が爆発します。
これまで当たり前と思っていたことがとても愛おしくなり、感謝の気持ちが芽生えてくるに違いありません。
そうすると、また生きる力が湧いてくる。
普段の生活で失った生きる力を取り戻すことができる。
これこそが、「人はなぜ山に登るのか」という問いに対する私の答えです。
いかがでしたか。
少し視点を変えてみると、マイナスに感じていた登山に対するイメージが、むしろ魅力に変わったんじゃないですか?
ストレスの多い現代社会では、心が傷ついて弱くなったり、自信がなくなったりとメンタル面での悩みが尽きません。
でも山に登れば、全て洗い流すことができます。
さあ、あなたも山登りを始めて、一緒に生きる力を取り戻しに行きませんか。
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