これから登山でテント泊を始めようと思っているけど、いまいちテントの張り方が分からない。
テントを張る時のコツや注意点を知りたい
こんな悩みや疑問にお答えします。
<本記事の信頼性>
・筆者は登山歴9年。
・日本百名山を80座登った実績があります。
・背伸びをしない文章を心がけています。
テントを買ったらまずやるべきこと
これからテント泊を始めようと決心して登山用のテントを購入したあなたが最初にすべきことは、試し張りをすることです。
場合によっては、購入前にお店でやらせてもらえることもありますが、できない場合の方が多いです。
場所は、公園などの広い場所を使える人はそれの方がいいですが、別に家の中で構いません。
あまりにも家の中が物であふれている人は無理かもしれませんが、ちゃんと片付いていれば、ソロテントならワンルームの部屋でも何とか張ることはできるはずです。
別にちゃんと設営して寝転ぶなんてことまではしなくていいです。
実際に張ってみることが大事です。
試し張りをせずに実際にテント場に着いてから初めて説明書を開いて設営するというのは、カッコ悪いです。
それに雨が降ったり風が強かった日には、目も当てられません。
事前に設営する手順を体で覚えておき、できればコンディションが悪い場合を想定しておくと、なおGOOD👍です。
あともうひとつは、どこのテント場でテントを張るかをちゃんと決めておくことです。
ネットでYouTube動画やブログの記事を探して、実際にそこで張った人の様子をチェックしておくといいですよ。
そのテント場はどの場所が人気でおすすめなのかなどが事前に分かります。
どこのテント場でテントを張るかをまだ決めていない人は、テント泊初心者におすすめのテント場を紹介したこちらの記事を参考にしてみてください。
テントの設営場所を決める
次は実際のテント場でどういう場所にテントを張るかという話です。
どういう場所がおすすめかという視点に立つよりは、むしろ避けるべき場所を挙げていって消去法的にいきましょう。
ひとつずつ見ていきましょう。
<崖や斜面の下>
ダメな理由は、落石の危険のリスクがあるからです。
<崖の上>
風にあおられて、テントごと転落や滑落の危険があります。
<沢の近く>
涼しくて気持ちが良さそうですか、増水時に浸水の危険があります。
<凹んだ場所>
雨が降ると水たまりになる場所です。水がたまるとテントの中が浸水する恐れがあります。
<斜めな場所>
座っているとあまり分かりませんが、寝転んでみるととても寝にくいです。これは実際に試してみないと分からないです。でも寝てみるとよく分かります。
<石が多い場所>
石のでっぱりが背中にあたるのが気になって、なかなか寝つけません。またテント本体の底面へのダメージが大きく、破損のリスクがあります。
このように避ける場所が分かると、どういう場所にテントを設営すればいいかが自ずと分かりますよね。
場所が決まったら整地をする
テントを張る場所が決まったら、まずは整地をします。
具体的には、可能なかぎり地面の異物を取り除くようにします。
少しでも木の枝や石ころがあると、寝る時に背中にあたって不快な思いをするので、丁寧に作業しましょう。
たまにあるのですが、割れたビンの破片が落ちてたりします。
とても危険なので、地面の様子はよく観察してから設営場所を決めましょう。
また丁寧に整地をしておくと、テント本体の床面へのダメージを軽減することができるので、テントの破損を未然に防ぐ効果もあります。
テント泊をする場合、テントを張る作業よりも実は場所選びや丁寧に整地することの方が大事だったりします。
テント本体を広げて自立させる
設営の場所が決まって整地も済んだら、次はテントの本体を広げて設営を始めましょう。
テントを自立させる方法としては、「スリーブ式」と「吊り下げ式」があります。
スリーブ式ならテント本体の穴にポールを通すことで、テントを自立させます。
これに対し吊り下げ式の場合は、ポールをテント本体の四隅に差し込んで骨組みを作り、テントに付いたフックを骨組みとなったポールに引っ掛けることで自立させます。
テントを自立させる作業は一人でやることもできますが、設営作業の中で一番力を使う場面なので、可能であれば二人で作業した方がやりやすいです。
あと覚えておくといいのがコレ。
風が強い時は、テントが飛ばされないようにザックを重しにしたり、先にペグでテント本体を固定しておくと設営がしやすくなります。
また風上から風下に向かってテントを広げ、かつテントの出入口は風下側に向けるというのも鉄則です。
いざというときは、思い出してみてください。
本体の四隅にペグを打つ【重要】
次にテント本体の四隅にペグを打ち込みます。
コレをやらない人が意外と多いのですが、必ずやるようにしましょう。
理由は後ほど説明します。
打ち方は、こうです。
テントの外側から内側に向かって地面に対して斜め45度になるように打ち込みます。
内側に向かって斜めに
というのがミソです。
地面に垂直に打ったり、テント側から外に向かって打つと、ペグが抜けやすいからです。
風の強いところで設営すると、この意味がよく分かるはずです。
強風が吹くことが多い山のテント場では、風対策が必須となります。
本体をペグで固定することは、テントを地面に固定させる役割と、テントポールを骨組みとして強固なものにするという役割があります。
その後にフライシートから伸びた張り綱をペグダウンすることで、風への耐性がさらに強固なものになります。
ちなみにですが、仮に本体をペグダウンしないで張り綱だけにペグを打った場合、どうなるか分かりますか?
風で宙に浮いたテントが飛ばないように、テントから伸びたヒモを持ってかろうじて持ちこたえているようなものです。
風速10mを超すことも珍しくない山の上のテント場でそんなことになったらどうなるか、分かりますよね?
山の上で突然、寝床を失ったらどうなるか、分かりますよね?
なので、張り綱だけでなく本体の四隅にも必ずペグを打つようにしてくださいね。
あと四隅にペグを打つと、「強風にあおられてポールが折れるというリスクを減らすことができる」ということも知っておいてください。
繰り返しますが、テント本体の四隅をペグダウンすると、強風でテントが飛ばされにくくなるし、ポールが折れるリスクを減らすことができます。
それほどテント本体をぺぐで固定するということは重要なことなのです。
フライシートを被せる
テント本体を自立させて四隅にペグを打ち終わったら、テント本体の上からフライシートを被せます。
大抵の商品はフライシートの四隅をテント本体にジョイントするかたちになっているかと思います。
四隅を固定したら、シートのそれぞれ4辺に付けられたロープを使ってペグダウンします。
さらにそれが終わったら、フライシートの四隅から伸びた張り綱を伸ばしてペグダウンします。
張り綱がピンと突っ張るまで自在で調整します。
ギターの弦を指で弾いた時のあの
「ビヨ〜ん」
と音が鳴るくらいまで突っ張りましょう😁
以上でテントの設営は完了です。
お疲れさまでした。
まとめ
今回はテントの設営方法について解説してみました。
テントの設営は慣れてしまえば大したことではないのですが、最初のうちは意外と時間がかかります。
要するに、家事と一緒で慣れと段取りが勝負です。
とはいえ、テント泊は意外と奥が深いです。
テント泊の回数を重ねてくうちにいろんな失敗や経験をすることになるので、あまり構えず少しずつレベルアップしていきましょう。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
コメント